今週は東京で「共同通信杯」が行われる。春クラシック戦線へ向けての重要な前哨戦だけに目が離せない。一方、京都の「京都記念」は天皇賞・春以来となるキズナの復帰戦。女傑ハープスターとの初対決にも注目が集まる!
明け3歳の特別戦が毎週組まれ、クラシックの蹄音が足早に聞こえるまでになってきたが、先週のきさらぎ賞同様、今週のメーン、共同通信杯も厩舎期待の逸材、素質馬ぞろいで、ファン必見の注目すべき重賞と言っていい。
周知のとおり昨年の覇者イスラボニータは、皐月賞を勝ち、ダービー僅差2着。12年の1着馬ゴールドシップは、皐月賞、菊花賞の2冠に輝き、2着馬ディープブリランテは、ダービー馬になっている。
年々レースの重みは増してきたように見えるが、今年もアヴニールマルシェ、アンビシャス、リアルスティールなど有力どころは素質馬ばかりで、白熱した競馬になること請け合いだ。
そして気になるのがドゥラメンテの出否だろうか。圧巻のパフォーマンスを披露したセントポーリア賞から中1週ということで、出走に踏み切る公算が強いものの、関係者ははっきりとGOサインを出していないからだ。
GIエリザベス女王杯を制したアドマイヤグルーヴが母で、女傑エアグルーヴ(GI2勝)を祖母に持つ良血。そのとおりの活躍で、目下圧倒的な強さを見せて未勝利─特別戦を連勝中だ。それだけに出走してくれば前述した人気どころを差し置いて、最有力候補に躍り出ることだろう。
が、やきもきしても始まらない。はっきりとGOサインが出たところで穴党としては本命視するわけにはいかない。
03年に馬単が導入されて以降、その馬単で万馬券になったのは1回のみ。優勝した馬は、1番人気が4回(2着3回)、2番人気が2回(同3回)と比較的本命サイドで収まる重賞。そうであっても今回は素質馬ぞろい。下馬評どおり、簡単には決まらないと見た。
穴党は、穴党らしく。狙ってみたいのは、コスモナインボールである。ソールインパクトと並んで6戦と最もキャリアを積んできている馬。この経験の重みは小さくない。
朝日杯FS9着、京成杯13着。ここ2戦の成績から一線級と見られるクラシック候補が相手では分が悪いと判断されてもやむをえないところ。が、「朝日杯FSは奇数枠でゲート内で待たされたことが響いて」(柴田大騎手)出遅れ。そのうえ馬場が悪く(やや重)、最後まで流れに乗れなかった。前走の京成杯は、「やや重め残りの状態」(和田雄調教師)だったそうだ。さらには直線で前をカットされる不利を被っている。
ということで、まだ見限るわけにはいかないのだ。未勝利─500万特別─オープン特別と3連勝を飾ったが、簡単にできる芸当ではない。
この中間はしっかり乗り込まれており、動き、気配とも前走をしのいで、ほぼ満点だ。
「状態は間違いなくアップしている」
とは厩舎スタッフが口をそろえるところ。ならばあらためて期待したい。3連勝はいずれも左回り。距離もよく、この馬にとっていわばベストの舞台だろう。
ハイアーゲーム産駒。有力どころと比べて血統は地味だが、それでも母系はなかなか。サーガノヴェル(GIIIフェアリーS、GIIIクリスタルC)、エイシンビンセンス(GIII北九州記念)など近親、一族に活躍馬は少なくない。相手はそろったが、良馬場なら巻き返しがあっていい。
京都記念は、ハープスターが圧倒的人気を得るのだろうが、狙ってみたいのはレッドデイヴィスだ。長期休養明けを2度使われて、この中間大幅な良化ぶりを見せている。距離の不安はなく“一発”があっていい。
◆アサヒ芸能2/9発売(2/19号)より