冬期の調整がうまい平原を狙う!
狙ったレースを好走すると、その後も自信を持って走ることになる。
今年のGI初戦が「静岡全日本選抜」(2月12日【木】~15日【日】)。S級S班は斡旋停止中の稲川翔を除く8人が出走予定。1月に行われた、いわき平までの記念4戦全てをSS班が制しているが、ここを勝てばはやばやとグランプリ出走権を得られるだけに、S1勢の逆襲に期待したいところだ。
それにしても、昨年終盤から好調をキープしているのが平原康多だ。10月熊本記念●【3】(●は決勝レースの着順)、11月松山記念●【2】(●は決勝レースの着順)をステップに小倉競輪祭で4度目のGI制覇。岸和田グランプリは7着だったが、1月には地元の大宮記念を完全優勝している。
平原は寒いこの時期の調整がうまいのだろう。毎年のように1月に記念を1つは獲り、一昨年は松山で全日本選抜V。バンク不問のさばきに、さらに磨きがかかっている。今年も満を持しての参戦だ。
かつて隆盛を誇った福島に勢いがない。大震災の影響があっただろうが、そろそろ言い訳にはできない。FIとはいえ、前走・松阪を勝った伏見俊昭に続く福島勢の活躍に期待したい。
さて、並びと展開。東日本は新田祐大─菊地圭尚の北日本コンビと、関東の平原─武田豊樹─神山雄一郎のSSゴールデントリオ、そして地元地区南関からは石井秀治─新田康仁か。西日本は中部の深谷知広─浅井康太は不動の連係も、近畿は稲垣裕之─村上義弘─村上博幸と脇本雄太─松岡健介─南修二で別線濃厚。九州は中川誠一郎─井上昌己─菅原晃で、ここに大塚健一郎が加われば強力ラインになる。岩津裕介は、いつもの単騎戦だろう。
残り1周半のジャン前から脇本が発進すると見るが、その前後に中川が仕掛ければレースは一気に動く。前でもがき合うようなら、まくり勢の出番になる。
本命は平原。武田との前後は微妙も、直線の伸びを買う。対抗は村上兄弟の鉄壁ガードを味方にできる稲垣。慌てず踏めばGI初戴冠も。3番手評価は、勝負どころを心得ている村上義と武田で互角と見た。復調してきた深谷も差はない。
伏兵は高橋陽介、小松崎大地、稲毛健太の3選手。稲毛と小松崎は全国区だが、高橋は全日本選抜初出走。昨年、GIの残り5戦を走り、寛仁親王牌で準決勝進出と健闘した。まずは1次予選を目標にしたい。
◆プロフィール 山口健治(やまぐち・けんじ) 1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。
◆アサヒ芸能2/9発売(2/19号)より