この敗戦が、大谷翔平の来季に影響してきそうだ。ドジャースがメッツとのリーグ優勝決定シリーズ第2戦に敗れたのだ。大谷は3打数ノーヒットと振るわず。これで1勝1敗の五分となったが、気になる情報が聞かれた。
この日はブルペンデーで、故障者の多いドジャースにとってはやむをえない作戦だった。しかし、ドジャースは地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズとポストシーズンマッチを戦ってきて、ブルペンデーとなったのは2試合目。つまり先発ローテーション投手が不在となった試合が、7試合中2試合も発生したわけだ。主力投手の故障が相次ぎ、山本由伸など復帰した先発投手にも無理をさせられないからだが、ワールドシリーズ制覇に失敗すれば、ドジャースのオフは激震に見舞われることだろう。
ドジャースは12年連続でプレーオフに進出。2016年から指揮を執ってきたロバーツ監督のもとでは、3度のナ・リーグ優勝と2020年のワールドシリーズ制覇を成し遂げた。記録上では名将ながら、大谷、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンと、MVP受賞者が3人もいるスター集団ゆえ、「地区優勝は当たり前、ワールドシリーズを制覇して初めて勝ったと言えるチーム」だ。2020年のワールドシリーズ制覇以降はポストシーズンマッチ途中での敗退が続いており、「今年も」となったら…。
中継ぎ投手の総動員となるブルペンデーの采配が、ロバーツ監督の去就を左右しそうなのだ。契約上は「2025年シーズンまで」となっているそうだが、今季はホワイトソックス、マリナーズ、レッズの監督が解任されており、米スポーツメディア「The Athletic」などが「次にヤバそうな監督」として、ロバーツ監督を挙げている。だが、現地スポーツメディア関係者が言うには、
「投手陣のコマ不足は、ロバーツ監督のせいではありません。キャンプ前から故障リハビリ中の投手が何人かいて、苦しいやりくりとなるのは分かっていました」
ロバーツ監督はこれまでも、ポストシーズンマッチの成績に疑問符が付けられてきた。いまだに二刀流・大谷の緊急登板が囁かれるのは、ロバーツ監督の去就が影響しているからだろう。
(飯山満/スポーツライター)