ロックミュージシャン・矢沢永吉とコメディアンの萩本欽一には、いくつか共通点がある。YouTubeチャンネル〈関根勤チャンネル〉でそう明かしたのは、お笑いタレントの小堺一機である。
まず、共演者の選び方が似ているのだとして、両者の言葉を紹介する。
萩本「俺、上手いから使いたいとか思わないもん。あいつ良いやつだから呼びたいって思うもん」
矢沢「俺と全然そりが合わない、あいつ嫌だなってやつでもバチって弾いてくれるなら、レコーディングはOK。でもライブツアーは好きなやつと一緒じゃないとダメ」
他にも似ているとして、小堺は続けた。
「似てるんですよ、境遇が。良いところの子だったのに、家が没落しちゃって、それで貧乏になっちゃって、頑張って天下をとった人だよね、2人とも」
萩本は父のカメラ製造販売が成功し、裕福な少年時代を送っていた。しかし父の会社が倒産すると連日、借金取りが押し寄せる極貧生活に。高校時代には一家で夜逃げした経験があり、そこから抜け出すために、芸人を志した。
一方の矢沢は、少し状況が異なる。戦前、父が広島県で自転車の販売店を経営し、数人の丁稚を雇うほどの大きな店に成長。その後、広島原爆投下で父親以外は妻も子供も全員が死亡。矢沢が生まれたのは父親の再婚後なのだが、その頃は酒におぼれ、あちこちから借金を作り、母は蒸発。その父親は原爆症で病死し、極貧の少年時代を過ごした。「ビッグになる」という気持ち芽生えは、ここから生まれたようだ。
今の時代には聞き慣れない「少年時代の極貧生活」が偉大なスターを育てたといっても過言ではないのだ。
(所ひで/ユーチューブライター)