芸能

映画ランキング2週連続1位なのに「敗戦ムード」が漂う「踊る」シリーズ最新作の痛恨

 10月18日から20日の「国内映画ランキング」(興行通信社提供)で、「室井慎次 敗れざる者」が週末3日間で動員14万2000人、興収2億2000万円と、2週連続の1位を獲得。累計では動員61.3万人、興収8億5700万円を突破した。

 同作は1997年に放送開始され、映画版も大ヒットを記録したテレビドラマ「踊る大捜査線」シリーズで柳葉敏郎が演じる人気キャラクター、室井慎次を主人公に描く、映画2部作の前編。事前に試写会を行わず、ネタバレを防ぐなどして公開された。2週目では、大ヒットしたハリウッド映画「ジョーカー」の続編「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」を2週連続で振り切って1位を獲得したのだが…。映画業界関係者が重い口調で言う。

「『室井慎次』は12年ぶりの『踊る』シリーズの最新作としてかなり期待され、『ジョーカー』の続編も同様でした。ほかの映画ならば万々歳の数字なのですが、そろって物足りない結果に終わりそうです」

「踊る」シリーズでは2005年8月に、室井が主人公のスピンオフ映画「容疑者 室井慎次」が公開された。今作同様、「踊る」シリーズの本来の主人公・織田裕二もヒロイン役の深津絵里も、出演していなかった。

「2005年はまだまだ作品に対する『踊る』ファンの熱意があふれていたので、興行収入は38.3億円のヒット作となりました。ところが『室井慎次』には織田が出演していない上に、前後編に分けて、後編に見どころを詰め込んでしまった。1本にまとめていれば、集客が伸びたかもしれませんが、『容疑者 室井慎次』にははるかに及ばない数字になりそうです」(映画担当記者)

 タイトルは「敗れざる者」だが、すっかり「敗戦ムード」が漂っている様子。後編の「室井慎次 生き続ける者」が11月15日の公開を控えるが、前編を超える数字を叩き出すのはなかなか難しそうで…。

(高木光一)

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