プロ入りが期待されていた慶應大学の清原正吾が、プロ野球ドラフト会議で指名漏れした。神奈川県横浜市の慶大日吉キャンパスに設置された会見場には、テレビカメラ11台、35社60人の報道陣が集まり、清原の名前が会場モニターに表示されるのを今か今かと待ち受けたが、最後まで名前が呼ばれることはなかった。
ここで気になるのは、今後の進路だろう。今回のドラフトでは、くふうハヤテの早川太貴投手とオイシックスの下川隼佑投手が、それぞれ阪神とヤクルトから育成3位指名され、2軍に参入した新規チームからは初の選出となった。くふうハヤテのGMは横浜(現DeNA)元監督の山下大輔氏で、慶大のOB。事実、球団関係者からは「ぜひほしい」と熱烈オファーが飛び出しており、獲得に乗り出すようだ。
一方で四国アイランドリーグplusの「香川オリーブガイナーズ」も、ラブコールを送っている。上田誠球団代表は慶応高校野球部の前監督で、慶大のコーチを務めていたこともあり、慶大の堀井哲也監督とは親交が深い。こちらも有力な候補といえるだろう。
清原が野球を続けるならば、社会人野球という選択肢もあるが、仮に2軍か独立リーグに進むとしたら、どちらを選択すればプロ入りの可能性が高くなるのだろうか。いや、この問いには既に「答え」が出ていると言っていいかもしれない。
2軍球団からはこれまで、プロの支配下指名はゼロ。今回のドラフト会議では早川と下川の2人が初めて育成指名されたが、打率3割2分3厘でイースタンリーグ首位打者を獲得した知念大成(オイシックス)ですら、指名漏れしている。有力選手の発掘場というよりはむしろ、1軍からお呼びがかからなくなった選手の延命先の様相を呈している。
それではと、独立リーグに目を向けてみると、今回のドラフトだけでも複数人が指名されており、阪神にいたっては、12球団最多の一挙5人指名。近年は社会人よりも独立リーグの選手に目を光らせるスカウトが多く、実力さえあれば数年でプロ入りすることも可能だ。
清原のプロ入りに関しては意見が分かれるところだろうが、とりわけ桑田・清原世代のファンにとっては、プロ入りするジュニアの姿を見るのは、夢のひとつではなかろうか。
(ケン高田)