10月31日、女子ゴルフツアー「TOTOジャパンクラシック」(滋賀、瀬田GC北C)が開幕する。国内で唯一の米ツアー公式戦とあって、例年、豪華な美女競演が繰り広げられてきた。優勝者には「来季の米女子ツアー挑戦」の資格が与えられるだけに、国内組の目の色も一変。見逃し厳禁の熱き戦いの見どころをお届けしよう。
今年も日米女子ゴルフツアー共催「TOTOジャパンクラシック」がやってきた。73年に「LPGAクラシック」としてスタートし、15年に現在の名称に変更された伝統の一戦だ。スポーツ紙デスクが解説する。
「出場予定選手のポイントランキングを見ると、米ツアー組(43人)の1位が海外メジャー『エビアン選手権』を初制覇した古江彩佳(24)で、5位西郷真央(23)、8位笹生優花(23)と並び、国内組(35人)は今季7勝で年間女王の座をほぼ手中にしている竹田麗央(21)を筆頭に、山下美夢有(23)、岩井明愛(22)と日本が誇る若手の世界女王候補がズラリと並ぶ。特に注目は国内組。優勝者には来季の米女子ツアーのシード権が与えられますから。07年には上田桃子(38)、昨年は稲見萌寧(25)が海を渡った」
通常、ゴルフ界は米ツアーにしても国内ツアーにしても、男女共にシード権を持たない選手は「予選トーナメント」(QT)で出場資格ランキングを争う。
「米女子の場合、今年の最終QTのエントリー締め切り日(10月8日)に世界ランク75位内なら資格がある。岩井明愛・千怜姉妹が9月11日に参戦を表明。国内メジャー2勝で5年間の複数年シードを獲得した竹田と、2年連続国内女王の山下美が10月3日にそれに続いた。また、昨年の2次予選会でまさかのスコア誤記で失格した原英莉花(25)も2次予選会からエントリー。もちろん5人ともここで優勝しての一発パスを狙っている」(スポーツ紙デスク)
例年のことながら、優勝争いは最終日までもつれる熾烈な戦いになりそうだ。
スポーツ紙記者が話す。
「この大会は超絶なバーディー合戦になることで知られています。昨年は21人が3日間60台で回る激戦の中、最終日に1打差の3位でスタートした稲見が22アンダーで接戦を制した。今年は会場が変わるものの、好スコアが続出するコースとして有名な舞台。女子ゴルフ界のレジェンドのアニカ・ソレンスタム(54)が03年、当時は3日制ながら24アンダーで優勝したこともあります」
となれば、イーグルを狙うこともできる飛ばし屋タイプに注目が集まる。
「昨年の平均飛距離2位の竹田がおもしろそう。ここを勝てば、不動裕理(48)が持つシーズン10勝の大記録も夢じゃないし、QTに挑戦する理由の1つにしても先輩からの誘い。『(勝)みなみさんが(米ツアーに)早くおいでって』と、うれしそうに話していました」(スポーツ紙記者)
9月の日本女子プロ、日本女子オープンの国内メジャーを制した勢いも感じられるが、ゴルフジャーナリストの宮崎紘一氏からは真っ先に岩井姉妹の名前が挙がる。
「米女子ツアーのシード権が付与される一戦となれば、その思いが強い岩井姉妹に注目したいね。2人はデビュー時から世界挑戦を目指していた。逆に竹田は国内ツアーの5年シード権を獲得してからの表明だけに、2人との覚悟の差を感じる。どのスポーツでも『最後は気持ちの強い方が勝つ』ってよく言うしね」
岩井千怜の今年の目標は「海外ツアー5位以内」だったが、残すチャンスはこの大会のみ。常に「2人で最終日、最終組」を目指す姉妹の豪快なゴルフは見逃せない。