悪夢の4連敗で日本シリーズ制覇を逃したソフトバンクが、来季の優勝に向けて始動した。選手にとっては戦慄の瞬間が訪れる、戦力外通告である。
10月4日に非情通告を受けたのは、2021年ドラフト1位の風間球打、中村亮太、三浦瑞樹、笠谷俊介、田上奏大の5投手と、川原田純平、仲田慶介の内野手2人、計7選手。戦力の大幅な入れ替えに着手したのだ。
ドラ1の風間は157キロのストレートが武器の「世代最速の男」だったが、コントロールに課題を残し、ここまで1軍登板はゼロ。右肘や腰の故障に苦しみ、今季はファームで防御率5.40 、6登板で未勝利と、結果を残すことができず、球団は育成での契約を打診する方針だという。
ホークスファンの間では「3年前のドラ1を戦力外に!?」と、驚きが広がっているが、他にも若手有力選手が含まれていることから、他チームのファンからは「マジでもったいない」「お宝の山すぎる」という「評価」が下されている。それではと、詳しく見てみると…。
例えば育成出身のスイッチヒッター・仲田は今季、2軍で打率4割3厘、OPS.985の成績を残し、1軍では打率2割1分4厘。まさかの戦力外通告に「1軍でのチャンスがなかったことは、今までいちばん悔しい」と目頭を押さえた。仲田は他チームでのプレーを希望しており、25歳という伸びしろのある年齢を考えれば、十分に戦力になろう。
三浦はプロ3年目の今季、7月下旬に待望の支配下登録をつかみ、1軍のマウンドでは5回を投げて防御率0.00をマーク。ファームでは95回2/3回で防御率1.60の好成績を残している。左投手が不足しているチームには、もってこいの存在といえるのではないか。
ソフトバンクは今秋のドラフト会議で6選手を獲得しており、来季育成から有望選手を昇格させることを考えると、あらかじめ70人の支配下枠を確保する必要がある。もともと選手の見切りが早いこともあるが、1軍で活の躍機会があった選手でも、あっけなく戦力外になってしまうというわけだ。
選手層の薄いセ・リーグのチームなら、十分にお宝化する選手がいることだろう。
(ケン高田)