阪神から戦力外通告を受けた選手が、次々と「拾われて」いる。加治屋蓮投手が楽天と、岩田将貴投手がDeNAとそれぞれ移籍に合意したことが、11月16日に発表された。同じく阪神を戦力外となり、オリックスの秋季キャンプに参加している遠藤成内野手は、オリックスが育成契約で獲得することがわかった。
阪神を戦力外となった選手は5人。移籍先が決まった3人に加え、片山雄哉捕手、高濱祐仁外野手がいる。このラインナップを見た他球団のファンからは「なぜこの選手が戦力外?」「ぜひウチに来てもらいたい」といった声が上がることに。
2022年に39試合登板で7ホールド、2023年も51試合登板で16ホールドと貴重な中継ぎ戦力として日本一に貢献した加治屋は、今年はわずか13試合登板に終わっている。力の衰えというより、若手投手陣の台頭で押し出された形だ。
2020年の育成ドラフト1位で阪神に入団し、2年目の2022年途中に支配下登録されたものの、1軍登板はなし。2軍では昨年44試合、今年も46試合に登板したが、1軍に呼ばれなかったのは、阪神の中継ぎ陣の層の厚さゆえ。左の中継ぎが不足しているDeNAへの移籍で、息を吹き返すかもしれない。
阪神ファンからも戦力外通告に疑問の声が上がっているのが遠藤だ。東海大相模高時代は投手として甲子園に出場。高校通算45本塁打と打力でも注目され、2019年ドラフト4位で阪神入りした。走って守れて肩も強い内野手として、2軍では1年目から注目を浴びるも、5年間で1軍出場はなかった。
2021年はファーム日本選手権でMVP。2023年はウエスタン・リーグの優秀選手賞、2024年は最高出塁率のタイトルを獲り、盗塁はリーグ2位。
「阪神では今年、セカンドの中野拓夢が不振の時期に『なぜ遠藤を1軍に上げないのか』との指摘がありました」(在阪スポーツ紙デスク)
こうした選手が戦力外になってしまうのも、阪神の選手層の厚さゆえか。各選手には、放出したことを阪神が後悔するような再生ぶりを期待したい。
(石見剣)