侍ジャパンが「プレミア12」決勝で台湾に完封負けを喫した11月24日、球界を揺るがすニュースがもうひとつ届いた。東北楽天の顔である田中将大が、チームを去る決断を下したことを、自らのYouTube公式チャンネルで明かしたのだ。球界関係者が言う。
「報道では今季の推定年俸2憶6000万円から減額制限(年俸1億円以上の場合は40%)を超える5000万円プラス出来高の提示を受け、自ら自由契約を申し出たとされます。ですが、田中の場合は金銭が目的ではない。一体、いくら稼いできたと思っているんですか」
高卒3年目に「1億円プレーヤー」になったマー君。渡米前にはわずか7年目にして年俸4億円の超高級プレーヤーとなり、メジャーリーグから日本球界に復帰した2021年からの3年間は、年俸9億円という日本球界最高給取りだった。
メジャー時代はもっと華々しい。2014年から2017年までの4年間は22億円、残る3年間は23億円で、ポスティングで手にしたのは楽天への譲渡金や代理人報酬を除いても、130億円以上という破格の大金だ。発表されていないインセンティブを抜きにした推定年俸との合計は、なんと333億8500万円にのぼる。2億円以上減俸されようが、あとからやってくる税金の支払いでヒーヒーいうようなレベルの稼ぎではないのだ。先の球界関係者は言う。
「田中は東日本大震災が起きて、東北中が悲嘆にくれるなか、Bクラスが定位置だったチームで孤軍奮闘し、2013年にシーズン24勝0敗1セーブという成績と日本一を置き土産にヤンキースに移籍した、球団にとっての最功労者です。確かに帰国後の成績は年俸に見合っているとは言いがたいし、昨オフに発覚した安楽智大のパワハラ問題に関わった疑惑もあって、イメージはダウンしました。ですが、それを補って余りある貢献をしてきたはず。田中がこだわる日米通算200勝まであと3勝と迫った今、『ウチで大記録を達成してくれ』というのが筋でしょう。結局、そうした球団のドライな対応が、退団の決め手になったのではないですか」
楽天退団を発表した動画では、
「今はいいコンディションでいいトレーニングを積むことができています。(中略)来季、今年投げられなかった分、さらにしっかりと投げて戦っていきたい」
完全復活に向け、気合は十分なのである。
去就に関してはセ・リーグの複数球団が本格的に獲得を目指し、調査しているとの報道がある。今は選手寿命が昔よりも長い時代ではあるが、プレーヤーとして晩年に差しかかっていることは確かだろう。なんとか「最後の一花」を、日本のファンの前で咲かせてほしいものだ。