韓国には古くから「三大心霊スポット」として、恐れられてきた場所がある。ひとつは2019年に「コンジアム」として映画化された、京畿道広州市の「コンジアム精神病院跡地」。そして朝鮮戦争で死亡した学徒兵の埋葬場所とされる、慶尚北道ヨンドク郡の「慶北ヨンドク刺身店」。3つ目が忠清北道堤川市の「ヌルボムガーデン」と呼ばれるレストランだ。
このヌルボムガーデンを題材にしたホラー映画、その名も「ヌルボムガーデン」が、来年1月から日本で公開されることになった。
監督は「女神の継承」「チェイサー」などを手掛けたプロデューサー、ク・テジン。ある日突然、自ら命を絶った夫が所有していた郊外の邸宅「ヌルボムガーデン」を相続することになった妻の身に起こる、世にも不思議な現象を描いたものだ。
かつて実在したヌルボムガーデンはレストランであり、店舗兼自宅には夫婦と娘が暮らしており、オープン当初はそれこそ地元の人気店として、繁盛していた。
ところが、ある日のこと。娘がレストラン前にある道路で自動車事故に遭い、命を落としてしまう。父親はショックのあまり半狂乱となり、ガス管で首を吊って命を絶った。そして母親もほどなくして、亡くなったのである。
突如として主を失ったヌルボムガーデンはその後、不動産屋によって売りに出され、あるレストランオーナーが購入。すると次々に奇妙な現象が起こり始めたのだ。
例えば、注文をとりに来たウェイトレスに注文したものの、なかなか料理が出てこないため、客が店主にクレームを入れる。するとその店には、女性従業員がいなかった。あるいは、店員が厨房にオーダーを伝え忘れ、急いで持っていくと、すでにテーブルには料理が運ばれていたりも。
その結果、地元住民から薄気味悪いと敬遠され、閉店を余儀なくされることになった。
その後、レストランは噂を聞きつけた牧師の手に渡ったというが…。
そんなことから、ヌルボムガーデン周辺は現在もなお「近づいただけで祟りがある場所」として知られ、地元住民は「訪れる際にはすべて自己責任で」と注意を促しているそうだ。
(ジョン・ドゥ)