NHKはもはや「おむすび」を見捨ててしまったのだろうか。11月18日から昼の再放送前に、2000年以降の朝ドラ史上No.1の呼び声高い「カムカムエヴリバディ」の再放送をぶつけてきたのだ。つまり、視聴者は12時30分から「カムカム」「おむすび」を続けて見ることになるのだが、違いは歴然である。
放送からまだ2カ月しか経っていないというのに、すでに離脱者が続出。ドラマそのものよりも「#おむすび反省会」の方が盛り上がっている有様だ。そんな「おむすび」にとって、この仕打ちはあんまりではないか。
低迷する「おむすび」をなんとかしようと、「カムカム」人気にあやかるつもりの編成かもしれないが、かえって「おむすび」の拙さが目立ってしまう結果に。
あるいは「おむすび」のせいで、このまま朝ドラ離れに拍車がかかってしまうことを危惧し、慌てて名作をぶつけて「朝ドラのポテンシャルはこんなものではありませんよ」とアピールする作戦かもしれない。どちらにせよ、「おむすび」ヒロインの橋本環奈にしてみれば、羞恥プレイのようなものだろう。
ちなみに11月27日には、神回と言われた放送当時から大人気の回が放送され、再放送にもかかわらず、Xでトレンド入りしたほど。この回は通常、始まってすぐに流れる主題歌がドラマの終盤に流れるという変化球で、さらに視聴者の涙を誘う仕掛けになっている。AIが歌う主題歌「アルデバラン」がもう素晴らしく、イントロだけで泣けるという視聴者もいるほどだ。この日が号泣案件だったのは、言うまでもない。
そもそも、3人のヒロインで繋ぐ100年の壮大な物語と、ギャルが栄養士になる話を比べるのが酷というものだろうが…。
伊藤沙莉がヒロインの前作「寅に翼」も評価が高く、次作の今田美桜がヒロインの「あんぱん」も、アンパンマンの作者やなせたかしとその妻の物語ということで、期待は高まる。間に挟まった「おむすび」はただでさえ分が悪い上に、「カムカム」までもってこられて、気の毒すぎる。橋本がストレスでヤケ酒に走らなければいいが…。
(堀江南)