9月30日に放送がスタートする今年度下期のNHK連続テレビ小説「おむすび」は、橋本環奈が演じる平成元年生まれのヒロイン・米田結が、やがて栄養士となって人の心と未来を結んでいく青春ストーリーだ。
その見どころを紹介する番組が23日に放送されると、ドラマに期待する視聴者からの不安が噴出した。芸能記者が解説する。
「高校時代の結がクラスメートと談笑する場面が流れたのですが、気になるのは橋本がかなりお疲れの様子に見えてしまったこと。頬がげっそりとやつれ、目の下にはクマができているように見えたことが、視聴者から次々と指摘されていましたね。クランクイン後にロンドンで舞台『千と千尋の神隠し』公演があり、橋本がかなり疲れているという報道がありましたが、事実だったようです」
約1年続く撮影だが「明るく楽しく最後まで乗り切れたら」と意気込む橋本が、無事にクランクアップすることを祈りたい。
そんな中、このドラマが世間に違和感を覚えさせたのが、橋本ら出演者の〝ギャルファッション〟だったことは、すでに一部で話題に上っている。
主人公は平成元年生まれの女子高生で、舞台設定は2005年前後だ。しかし、公開されたギャル軍団のコテコテなファッションはもろに90年代風で、時代考証がきちんとできているのかという疑問が噴出してしまった。また、舞台の福岡を流行が遅れてやってくる「ド田舎扱いなのでは?」という不満の声まで発生していたのだ。
だが、このギャル表現に関する違和感は見た目だけではなかった。ファッション誌ライターが踏み込んで言う。
「登場人物が皆、ギャルの『ギャ』にアクセントを置いて発音をしていたのが気になると、当時の女子高生世代がこぞって違和感を唱えています。当時は『ル』にアクセントのある発音をするのが主流だったからです。中にはファッションよりそちらが気になったという人が少なくなかった」
ギャル(gal)はもともと英語で少女を意味するgirlがくだけた言葉だが、
「日本人が使うギャルも、古くはそのまま、『若い今どきの女の子』を意味していました」
と語るのは、若者言語に詳しい週刊誌編集者だ。続けて、
「70年代、80年代は英語と同様で『ギャ』にアクセントを置いてましたが、90年代に入って『ギャル』が若い女性のファッションのカテゴリーの1つとして使われ出すと、若い子たちを中心に『ギャ↓ル↑』と、ルにアクセントを置く発音が主流になっていった。ファッションモデルのモデルを『モ↑デ↓ル↓』ではなく『モ↓デ↑ル↑』と発音するのと同じ感覚です」
そんないきさつから、
「当時の女子高生のアクセントが本則とは異なっていたため、アクセントに厳しいNHKとしては本則を優先したのではないか」
と、前出の週刊誌編集者は語るのだが…。そんなところだけマジメなのは、NHKだからだろうか。
(石見剣)