サッカー元日本代表の大久保嘉人氏が前園真聖氏のYouTubeチャンネルに出演し、自身のサッカー人生を振り返った。
イングランド代表のデビッド・ベッカムにピッチ上でケンカを売ったりと、破天荒な人物でよく知られる大久保氏は同時に、その談話が型破りなビッグマウスだ。ところが大久保氏によれば、それは素の自分ではなく、戦略だったというのである。
かつてアテネ五輪の出場権を得たが、大久保氏は不動のレギュラーではなく、出場できるかどうか微妙な状態。そこで、
「とりあえず記者の人を煽るんです。『なんで俺を選ばなかったんだ』と。そんなの(直接、監督に)言えないですよ。言えないですけど、記者の人に言ったら(記事として)出してくれる。それを世間の人が見ると『なんだこいつは』と『ちょっと見てみたいな』ってなる。それを予想して強いことを言って、自分にプレッシャーをかける。そうすると、やらないといけない」
これを引退するまで繰り返し、トップ選手に上り詰めたというのである。もちろん失敗する可能性はあるが、それはいっさい考えなかったというのも、実に大久保氏らしい考えである。
その後、大久保氏はスペインのRCDマヨルカやヴィッセル神戸、ドイツのVfLヴォルフスブルク、川崎フロンターレで活躍。日本代表として60試合に出場して、6ゴールの記録を残した。結果を見れば、ビッグマウス作戦は大成功だと言えるだろう。
(鈴木誠)