紅白戦が行われた2月12日、楽天に衝撃が走った。8回から登板して2回を無失点に抑えた松井裕樹(19)の「抑え転向」を、大久保博元監督(48)が突然、発令したのである。「(先発の)中6日だともったいない」からだという。スポーツ紙デスクが苦笑する。
「まず本人と面談して納得させたうえでマスコミに話すならいいですが、順番が逆だった。普通は考えられません。松井は報道陣から『監督がこう言ってるんだけど』と聞かされると顔をひきつらせ、驚いていました。『先発として目標を掲げているし、そのつもりで自主トレもやってきている』と話したのは、せめてもの抵抗でしょう。報道陣も球団スタッフも『じゃあ、何のために(広島から守護神の)ミコライオを獲ったの?』と首をかしげている」
沸々と怒りが込み上げてきたのか、松井は、
「困惑どころか『ハァ? フザけんなよ』と。左の先発として大きく育てるという素材なのに、高卒2年目の投手を最も肩を酷使する抑えで、普通は使わないでしょ。実戦でもまれてきた大卒、社会人ならわかりますよ。でも監督命令は絶対ですからね」(球団関係者)
シーズン突入後、この爆弾が暴発しなければいいが。
連覇を狙うソフトバンクは、工藤公康監督(51)の「暴走」が波紋を広げている。2月15日の内川聖一(32)から20日の今宮健太(23)まで打撃練習でみずから打撃投手として、休日を挟んで5連投。スポーツ紙デスクは、
「当初は『出しゃばりすぎない』とコーチ陣を立てる旨を語っていただけに、報道陣もOBもアゼン。夜の首脳陣ミーティングでも、まだ実戦モードに入っていないのにとても細かいことを質問し、チェックする。コーチ陣は困惑しています」
実戦に入れば、さらに細かくなりそうで‥‥。
ソフトバンクを脅かす最有力候補のオリックスは昨オフ、大補強。ところが、
「気を遣っているのか、森脇浩司監督(54)が、太めでキャンプインした中島裕之(32)に何も言えないんです。本来ならしぼらないといけないのに練習も足りない。『下半身を作れ』と言うべきです。特に守備難は西武時代から言われていたことですが、内野陣には安達了一(27)、小谷野栄一(34)、ヘルマン(37)らがいるのにアメリカでメジャー昇格もできなかった中島だけが特別扱いではまずいですよ」(スポーツライター)
火ダネは着々と大きくなりつつあるのだ。