「どうも私は楽しくないんですよ」
石破茂首相が施政方針演説で掲げた「楽しい日本」を引き合いに、経済アナリストの森永卓郎氏はピシャリと言った。
森永氏は1月27日放送の「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(TBSラジオ)に電話出演すると、まずはここ数日、世間を騒がせているフジテレビ問題について言及。
「楽しい世の中ってお互い、思いやりの中に生まれるものだと思うんですよ。フジテレビもかつて『楽しくなければテレビじゃない』というキャッチフレーズを掲げていた時期があった。ちょっとでも弱みを見せたらそこでおしまい、みたいな社会は、私はすごく心苦しいです」
そして次のように語ったのである。
「今はみんな、人のことをガンガン非難しながら、実はいつ自分がターゲットになるかもしれない、と怯えている。それっていい社会なのかなって、ほんとこの1週間、自分が弱って、どんどん(その思いが)強まってきた」
森永氏がそう語るのには理由がある。現在、ステージ4のガンを抱えて闘病しながら、睡眠時間を削って複数の書籍を執筆。精力的に活動する姿を見せていた。ところがこの日はいつもよりも声のトーンが低く、どこか弱々しかった。森永氏は言う。
「どうも本格的な転移が始まったようで、右の脇腹のところに一気に痛みが出てきた。今は医療用のモルヒネを打って痛みを抑え込んでいるんですが、この1週間、何も食べてないので、パワーがなくなっちゃった。私は医者じゃないんでよくわからないんですけど、実感でそう長くはもたないかもしれないな、というのが個人的な感想です。今はちょっと厳しい状況です」
番組最後に、リスナーから多くのエールが送られた森永氏。SNSなどで誹謗中傷が飛び交う今の世の中に、フジテレビ問題だけでなく、日本の行く末が心配になってしまったのかもしれない。
(ケン高田)