YouTubeでやっている「アンジャッシュ渡部がいつか地上波のグルメ番組に出ることを夢見てロケハンする番組」が、ジワジワと人気を集め、チャンネル登録者数45万人を超えた。
「多目的トイレの渡部」から「グルメの渡部」へと復調の兆しを見せているのだ。
かつてのグルメ知識に救われた渡部建だが、その礎は30代前半から築き始めていた。当時は「ごはん屋さんがケータイに50~60軒入ってる」と自慢し、芸人仲間から「なんかいい店ない?」とひっきりなしに電話がかかってきていたという。ガラケーの電話帳には店名、場所、名物を同列に登録し、さらにグループ化、一覧できるよう工夫していた。寿司や焼肉のオンパレードかと思いきや、水炊き、焼き蛤、鰻などの名店がリストに並んでいた。
ちなみに若手時代の千原ジュニアは、渡部とは異なり、深夜営業しているというくくりで、電話帳においしい店のグループを作っていた。
博多華丸・大吉の華丸も、食へのこだわりが強い。
「冷奴の味とお値段で、その居酒屋の方針がわかる」「刺身は醤油を舐めるための口実でしかない」「唐辛子は七味やない、一味ばい! 七つもいらん、味がばらける」などの名言がある。
とにかく一食一食をとても大事にしており、
「振り返れば僕、高校生ぐらいから『明日の昼は何を食べようかな』って考えながら寝てましたから」
と、ランチに対するこだわりを語っているほどだ。
「楽屋の冷たい弁当では、冷たい漫才しかできない。 お昼ご飯は次の漫才にも関わってくると僕は思うんですけどね。『お客さんのために、僕はランチを迷ってる』と言っても過言じゃないんじゃないかな」
そう言って漫才のネタにして、実際に局で用意されたお弁当は食べず、外に食べに行くことは多々あると豪語するのだった。
(坂下ブーラン)
1969年生まれのテレビディレクター。東京都出身。専門学校卒業後、長寿バラエティー番組のADを経て、高視聴率ドキュメントバラエティー番組の演出を担当。そのほか深夜番組、BS番組の企画制作などなど。現在、某アイドルグループのYouTube動画を制作、視聴回数の爆発を目指して奮闘中。