阪神タイガースの春季キャンプはいよいよ第3クールに突入し、2月9日には紅白戦が行われるなど、実戦形式の調整が始まった。2月15日には楽天との練習試合が行われるため、開幕1軍入りを目指す選手は練習の成果を発揮し、首脳陣にアピールしたいところだ。
他方、応援するファンの激闘も始まった。建国記念日の2月11日、阪神甲子園球場で行われる試合のチケットが、一斉に発売されたのだ。今年は新しく「仮想待合室」が導入されたが、システムの不具合などで大混乱。チケットを求めて14万人以上が殺到し、数時間待ち状態となった。
チケット発売の画面には「ご自身の前に並んでいる人数」「待ち時間の目安」「サイトにアクセスできる推定時刻」などの情報が表示されることで、およそ1時間で6000人を処理していることが判明。14万人分を処理するには24時間以上かかることから、「チケットの売り方がゴミすぎる」と非難囂々だ。
そもそも「仮想待合室」は、2試合以上のチケットを購入した人が、再び並び直さなければならないルールだった。ところがなぜか、複数枚を購入できた人は少なくなく、システムの仕組みをめぐって大騒ぎに。待ち時間に「ローソンチケット」に流れたファンもおり、こちらもアクセス障害に見舞われた。
この大混乱を受けて、阪神は緊急メンテナンスを発表。2月12日午前0時から7時まで「仮想待合室」を一時停止した。初めての試みだけに、想定外のトラブル発生は仕方ないが、事前に綿密なシミュレーションを行っていれば、ここまでの大騒動には至らなかったのではないか。
そもそも阪神はシーズン分のチケットを一斉に販売するため、「時期を分けて販売してほしい」という要望が、毎年のように上がっている。ライバルの巨人は、2月に販売するチケットは5月の大型連休まで。あまり先になると予定を立てづらい人は多く、理にかなっているといえるだろう。
球団としては、シーズン分をまとめて一気に売ってしまうことにメリットがあるのだろうが、現状では転売ヤー対策も万全とはいえず、このままではファンの怒りを買うばかりだろう。
(ケン高田)