近年、マッチングアプリを利用した出会いはすっかり一般的になり、結婚に至るカップルも増えている。しかしその一方で、思わぬトラブルに巻き込まれるケースがあとを絶たない。
東京都内に住む30代の男性は、マッチングアプリで知り合った女性と関係を持った後、突如として女性の「夫」を名乗る男性から慰謝料を請求されて困り果てた、と告白する。
「1年ほど前に、アプリ上で独身と記載していた女性と意気投合し、数回のデートを経て関係を持ちました。その後、仕事が忙しくなったため連絡を取らなくなり、自然と疎遠になってしまった。ところが数日前に見知らぬ番号から連絡があり、電話口の相手は『自分はその女性の夫だ』と名乗ったのです。さらに『不貞行為に対する慰謝料を請求する』と告げられました」
突然の事態に動揺した男性は、女性に事情を確認しようと試みたが、連絡が取れない。その後、夫を名乗る男性からは執拗に連絡が入り、「法的措置も辞さない」と警告されたという。
法的観点から見ると、既婚者と知らずに関係を持った場合でも、不貞行為とみなされる可能性がある。しかし相手が独身であると誤認していたことを証明できれば、法的責任を問われる可能性は低くなる。ただしこうしたケースでは、感情的なトラブルに発展することが多く、慎重な対応が求められる。
マッチングアプリを運営する男性によると、
「このような事例は近年ますます増加しており、慰謝料請求が詐欺目的で行われるケースもあります。独身専用のアプリの場合、運営に通報することは可能ですが、すでに退会しているケースがほとんど。このようなトラブルに巻き込まれた場合、まずは冷静になり、弁護士などの専門家に相談することが重要です」
マッチングアプリの利用者は相手のプロフィールを鵜呑みにせず、慎重にコミュニケーションをとるといい。万一、トラブルに巻き込まれた場合は個人で対応せず、速やかに法的アドバイスを受けることが推奨されるのだ。