コロナ禍の影響もあり、新たに参入する女性が増えたことで、価格の暴落が止まらない「パパ活」市場。最近では「パパ活詐欺」が横行し、男女がともに騙し合っている有り様だ。
以下に記すのは現在の「パパ活実態」のほんの一例である。
「50万円を騙し取られそうになりました」と怒りをあらわにするのは、都内在住の46歳の会社員・菊池洋二氏(仮名)。昨年末に、パパ活専用のマッチングアプリで知り合った21歳だというA子との顛末を、悔しそうに語る。
「A子は、大学の学費を払うためにパパ活をしているということでした。何度かダイレクトメッセージでやりとりした後、実際に会うことになったんです。A子の第一印象は地味で暗そう。着てる服も安っぽくて髪の毛もパサパサ。正直、女として見るのは難しいなあ、と思いました」
しかし、親に勘当されて学費も生活費も困窮しているというA子の話を聞いているうちに断れなくなってしまい、3万円でホテルに行ったという。A子によれば、これまでに、パパに騙されたこともあったらしい。
「ホテルでパパがお金を払わずに逃げてしまったり、待ち合わせのときに顔を見ただけで逃げられたことがあると言っていました。そんな話を聞いていたら、僕もつい同情してしまい、たまにお手当を援助してあげていたんです。ところが、出会って1カ月ほど経ったころ、A子がピンク店で働き始めたんです。体を売れば簡単に稼げると知ってしまったようですね」(菊池氏)
A子が働き始めたのは派遣型の大衆ピンク店。1時間7000円の稼ぎだった。だが、決して高くはない報酬に、A子は本来は違反である本番行為をしていたという。
「しかし、それだけではリピーターが返ってくることもなく、A子はすぐに売れなくなったようです。性格も暗いので当たり前といえば当たり前かもしれません。そこで僕にふたたびパパ活の打診をしてきたんです」(菊池氏)
この時、菊池氏は誘いを断ったという。だが、A子は執拗に連絡をしてくる。そしてついに、こんな手垢のついたようなあり得ない話を繰り出してきた。
「『実家のお母さんが病気になった。治療費や入院費で50万円が必要。援助してほしい』と言われたんです」(菊池氏)
さすがに不信に思った菊池氏は、A子が働いていたピンク店について書かれている掲示板を確認。すると、とっくの昔に退店していたことがわかった。
A子からは今も金の無心があるが、菊池さんは無視しているという。女性の生態に詳しいライターが言う。
「かつては食事だけで3万円、ホテルに行って5~10万円という相場だったパパ活も、今や3分の1ほどの暴落ぶりです。原因は女性が増えたことで男性の買い手市場になったこと。すると、比例するように詐欺のような話も増えてきたのです」
しょせん、法律違反の男女のやりとりだ。騙されるほうにも「見返り」を求める欲があったことは否めないだろう。菊池氏が被害者とはとても言えないが、こうした裏の世界にも容赦のない不況の影響が及んでいるようだ。
「そもそも、親から勘当されたっていう話もウソだったのでしょう。情にほだされて援助してしまったのがバカバカしく思えました」
そう語る菊池氏だが、これで済んでよかったのだと思うべきだろう。