3月に行われるサッカー2026年北中米ワールドカップのアジア最終予選に向けて「不安要素」が急浮上した。得点のカギを握る「1トップ争い」だ。
これまで最終予選の第1節から第4節まで、FWには上田綺世(フェイエノールト)が起用され、森保一監督に絶大の信頼を寄せられていたが、ケガの影響で昨年11月の代表ウィークは選外。代わりに5節と6節はFW小川航基(NECナイメヘン)が先発出場し、巡ってきたチャンスで2試合2ゴールと猛アピールに成功した。
そんな中、3月20日の弟7節バーレーン戦と3月25日の第8節サウジアラビア戦では、上田と小川のどちらをFWで起用するのかが焦点となっていたが、1月に戦列復帰した上田がハムストリングを負傷。2月15日のエールディビジ(オランダリーグ)の第23節NACブレダ戦を欠場すると、思いのほか深刻な様子のようで、2月18日にはクラブ側が「今後、数週間は起用しない」ことを発表した。
一方の小川も練習中に負傷した影響で、2月16日のエールディビジのアルメレ戦を欠場する事態に。
エース争いをする2人の相次ぐケガにより「第三勢力」の台頭に期待したいところだが、どうも暗雲が垂れ込めているようで…。
「昨年11月、約1年ぶりに代表復帰したFW古橋亨梧(スタッド・レンヌ)が3番手の最右翼です。しかし1月下旬にリーグ・アン(フランス)のレンヌに移籍して、先発出場は1試合のみ。低迷するクラブは監督交代劇が起きるなど空中分解寸前で、フィットするのに苦戦しています。今季からラ・リーガ(スペイン)のRCDマジョルカに加入したFW浅野拓磨も候補のひとりですが、2月16日の第24節ラス・パルマス戦で5試合ぶりに先発出場を果たしたものの、いまだリーグ戦ではノーゴールです」(スポーツ紙記者)
今のところ、欧州リーグでゴールを量産し、試してみたい新戦力の存在は皆無。早ければバーレーン戦で史上最速のW杯出場が決まる日本代表だが、上田と小川の負傷により、思わぬ落とし穴が待ち受けることになるかもしれない。
(海原牧人)