大相撲初場所で優勝し、第74代横綱となった豊昇龍の昇進問題が、今も波紋を広げている。
昨年の11月場所では大関・琴櫻に千秋楽で敗れて13勝2敗で優勝を逃したものの、横綱昇進をかけた初場所では12勝3敗。首の皮一枚で臨んだ巴戦で金峰山と王鵬に連勝して、劇的な逆転優勝を果たした。それでも優勝回数わずか2回の実績、昨年の9月場所で8勝7敗という不安定な成績での昇進には、角界で疑問視する声が上がっています」
「もう1場所、様子見してから」という声を封印するかのように、場所後に行われた横綱審議委員会は全会一致で「異論なし」と横綱昇進を決めた。相撲記者がその内幕を打ち明ける。
「明らかに甘い基準でも昇進を決めた背景には、照ノ富士の引退を受けての横綱空位を避けたかったことがあります。なにより8月の大阪万博イベントや10月のロンドン公演という国際イベントで横綱不在という異常事態はまずい、との事情があったと…」
しかし横審委員会のひとり、作曲家の都倉俊一氏の談話が、豊昇龍の昇進問題にケチをつけることになった。
「モンゴル横綱は全員が全員、横綱の品格ではなかったでしょ。闘志はいいけどね。国技であることを自覚してくれれば。立浪親方に指導してもらってね」
この発言を問題視した「フライデー」が真意を追及すると、都倉氏からはこんなコメントが。
「モンゴル出身でも、素晴らしく潔い横綱がいる。最近では照ノ富士はケガに耐えて、引退までボロボロな体でありながら、横綱の責任を全うした。しかし、皆さんご存知のように、過去には問題を起こした横綱もいたわけです」
「問題を起こした横綱」といえば、かち上げや張り手など品格を欠く相撲が問題視された第69代横綱・白鵬、酒席で暴力事件を起こした第70代横綱・日馬富士、なにより暴力事件や舌禍騒動が絶えなかった豊昇龍の叔父で第68代横綱・朝青龍が挙げられる。
「それでも第71代横綱として41場所務め、5度の横綱優勝を果たした鶴竜は、温和で誠実な人柄として知られています。もろん暴力事件を起こしたこともありませんでした」(前出・相撲記者)
今やモンゴル力士におんぶに抱っこの状態が現状の相撲協会。その存在を忘れてしまった横審の方が「品格」に問題アリ…なのか。