今季開幕戦からまさかの2連敗を喫し、最下位に沈んでいるのは、サッカーJ2の北海道コンサドーレ札幌だ。1年でJ1に復帰するため、7シーズンにわたって指揮を執ったカリスマのミハイロ・ペトロヴィッチ監督から、現役時代に日本代表で活躍した岩政大樹監督に再建を託したのだが…。
キャンプのトレーニングマッチは無敗で、岩政監督が「いろんな選手がいいパフォーマンスをして嬉しい」と話し、選手選考に頭を悩ませるほど、手ごたえ十分の様子だった。
ところがフタを開けてみれば、2試合で0得点5失点と、スタートダッシュに大失敗。試合後のインタビューでは、不機嫌そうな表情を隠さずにコメントを残し、サッカーファンの間では早くも「岩政語録」が注目の的に。
開幕戦の大分トリニータ戦で、ロングスローとフリーキックから2失点すると、
「J2らしい戦いでしたけど、相手の戦いが。おそらくこういう試合が続くんだろうなと思います」
まるでJ1のクラブが格下の相手に負けたような発言が飛び出したのである。
試合内容を見れば、札幌のシュート5本に対し、大分は15本も放って決定機を多く作った。決して戦術負けではなかっただろう。
さらに第2節のロアッソ熊本戦に0-3で完敗し、チームの課題について聞かれると、
「解決した時に言いますよ。1-2になるよりも0-3になる方が、課題がはっきりしてよかった。強気にあえて言っていますが」
もはや強気すぎて意味がわからない、とのツッコミが入っているのだった。サッカーライターはこれをどう見るのか。
「岩政監督は解説者時代から豊富な知識を持つ、理論派として知られています。それゆえに難解な説明があり、聞いている方が理解できないことがしばしば。開幕前には『僕はベンチメンバーをディサイダーと言っている』などと発言。謎のサッカー用語を作り出し、サポーターには一抹の不安がよぎっていました。鹿島アントラーズ監督だった時も発言が哲学すぎて、ポエマーと呼ばれたことがある。新天地でもさっそく、本領を発揮しているようです」
J2でも勝てないサッカーを見るより「岩政語録」を聞いている方が楽しい、とならなければいいが。
(風吹啓太)