「ホイットニー・ヒューストンが大好きだという鈴木おさむさんが、『日本ではホイットニー・ヒューストンみたいな大物歌手の伝記映画がなぜできないのだろう』と仰ってました」
「私をスキーに連れてって」(1987年)、「彼女が水着に着替えたら」(1989年)などの映画監督・馬場康夫氏が、自身のYouTubeチャンネル「ホイチョイ的映画生活~この一本~」で、元放送作家・鈴木おさむ氏が、疑問と推論を展開した。
ジャズミュージシャンのグレン・ミラーを扱った「グレン・ミラー物語」(1954年)、ビートルズ結成前の若きジョン・レノンを描いた「ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ」(2009年)など、大物ミュージシャンを題材にしたアメリカ映画は、枚挙にいとまがない。昨今ではイギリスのロックバンド「クイーン」のボーカル、フレディ・マーキュリーに焦点を当てた映画「ボヘミアン・ラプソディ」(2018年)が記憶に新しい。「第91回アカデミー賞」で、作品賞を含む5部門にノミネートされ、2019年5月12日の時点で世界興行収入9億317万5016ドル(約1008億円)を記録する大ヒットとなった。
「だから日本でも『北島三郎物語』や『宇多田ヒカル物語』を作られても、ぜんぜんおかしくないんですけど、ないですね」
馬場氏はそう前置きした上で、
「鈴木おさむさんは、映画『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』では、実の父親がホイットニーから金をむしり取る酷い男に描かれていたので、あんな描写をしたら、日本では必ず親族からクレームが来るからできないんじゃないか、と仰ってました」
映画ではないが、岸本加代子が美空ひばりの半生を演じた特別ドラマ「美空ひばり物語」(TBS系、1989年12月30日放送)はあった。企画書に目を通したひばりは「そんな暗い話が成立するの?」と目を丸くしながらも、承諾したという。
馬場氏が提案する「○○物語」、見てみたい気がするが…。
(所ひで/ユーチューブライター)