変わり者というべき性格ゆえに「宇宙人」と評されたのは、サッカー元日本代表の中田英寿氏だ。その評判通りに変わっていたと、井原正巳氏が証言した。鈴木啓太氏のYouTubeチャンネルに出演すると、話は1998年のW杯フランス大会に及ぶ。「中田選手が先輩を呼び捨てにしていたのをどう思ったか」との質問に答えた井原氏は、
「変わってたというか、それだけ意識が高い。彼にはそれが普通なのかもしれない。最初はムカつきました。『何だよお前』と思ったんだけど、一緒にやっていると『お前の言ってることはよくわかる』となっていった。まず言ってくることが素晴らしいことだと思う。若手が新しい血を持ってきてくれたり、突き上げをしてくれたから、代表が活性化した」
やはり後輩から呼び捨てにされて、腹が立ったというのである。当時、井原氏は代表チームのキャプテン。どうやってそんな生意気な若手をコントロールしていたのかといえば、
「中田とか川口能活、城彰二とか異端児みたいなヤツは、名波(浩)に『うまくまとめてよ』と頼んでいた」
自分は直接対応せず、後輩に任せていたのである。「アジアの壁」と呼ばれた偉大な選手を手こずらせていたとは、やはり中田氏はタダ者ではない。
(鈴木誠)