3月1日に開業した、阪神2軍の新球場「日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎」。こけら落としの一戦となった、同日の春期教育リーグ広島戦は先に帰阪していた「具志川キャンプ」の2軍組で戦ったが、翌日の広島戦には2月28日に遅れてキャンプを打ち上げた1軍の宜野座組が合流。開幕ローテが決定している才木浩人と村上頌樹がともに登板した。才木は3回を、村上は2回をそれぞれ無失点に抑える貫禄を見せた。
最速152キロのストレートが冴え渡った才木は、本拠地開幕戦となる4月1日のDeNA戦(京セラドーム)での先発登板が決定している。
一方の村上は、3月28日の開幕戦(広島戦、マツダスタジアム)に先発登板する。
3月1日に先発して4回を無失点に抑えた門別啓人が、3月29日の開幕第2戦に先発する公算が高まり、ビーズリーと西勇輝を含め、開幕6連戦の先発陣は5人が決定的となっている。では、残り1枠には誰が入るのか。
決定的な5人のうち、左腕は門別のみ。残り1枠を左腕にしたいところだろうが、実績のある大竹耕太郎、伊藤将司、高橋遥人は揃って出遅れており、開幕1軍に黄信号が灯っている。
キャンプ中に下肢の張りを訴え、2月25日に精密検査で帰阪した大竹は、既にジョギングやキャッチボールを再開。重症ではないことを強調したが、開幕については「首脳陣と会話できていないのでわからない」と言葉を濁している。
伊藤はキャンプ中、2度の対外試合に登板するも、いずれも失点。3月4日の中日とのオープン戦に先発予定だが、昨年は4勝に終わっているだけに、そろそろ結果を出したいところだ。
昨年7月に復帰し、先発5試合で4勝を挙げた高橋は、オフにプレートの除去手術を行い、リハビリが順調に進んでいるものの、開幕には間に合いそうもない。
というわけで、残りの1枠はというと、例えばドラ1ルーキーの伊原陵人。2月24日にDeNAとの練習試合に登板し、1回被安打1の無失点。ただ、藤川球児監督は、中継ぎ調整させる方針だ。
同じく左腕の及川雅貴は、キャンプ中の対外試合で計5イニングを投げて1失点。中継ぎと先発の両睨みで調整する富田蓮は、計4イニングで無失点。このあたりが候補になるのかもしれない。
なお、右腕では新外国人のデュプランティエが上々だ。熾烈な「1枠バトル」を制する投手は誰なのか。
(石見剣)