1月の大相撲初場所で11勝4敗の好成績を挙げ、敢闘賞を獲得。この春場所(3月9日初日)で小結に戻ったのは、元大関の霧島だ。
「大関の時は負けられないという気持ちが強かったけど、今はその日の一番に集中して相撲を取ろうと思って、土俵に上がっている」
春場所の稽古はじめを行った2月27日、荒汐部屋で春場所にかける思いをそう語っている。この日、荒汐部屋の若隆景、若元春ら3力士と12番稽古を行い、8勝4敗だった。 相撲ライターが言う。
「今の霧島に大関の力があるかと問われれば、もちろんある。ただ、大関に昇進するには10番勝つだけではダメで、11番勝てるところを2場所くらい見せないと難しい」
正直に言ってしまえば、今の霧島に3場所通算32勝、33勝は厳しいのではないか。相撲ライターが続けてその理由に迫る。
「どうしても勝てない力士が多すぎるからです。その筆頭が大の里。稽古場では勝ったり負けたりなのに、本場所ではどうしても勝てない。パワーで圧倒されてしまう。引退した照ノ富士にも、まるで勝てなかった」
3月4日の稽古では関脇・大栄翔らと13番取って7勝6敗。この日は痛めているという首下から肩かけてテーピングが巻かれ、痛々しかった。
「自分の体をいちばん分かっていて、やっぱりいちばんダメな稽古だなと思った。当たれていなかったし、ただ動いているだけ」
霧島はそう自己分析した。大関陥落の原因にもなった、慢性的な首痛。はたして大丈夫なのだろうか。
(蓮見茂)