2年連続の開幕投手が決定した巨人・戸郷翔征が、ドジャース打線から滅多打ちに。まさかの出来事に、巨人ファンは思わず天を仰いでしまったのではないか。
東京ドームで行われた、ドジャースとのプレシーズンゲームに先発した戸郷。初回の大谷翔平との対戦では、フルカウントからの150キロ直球が外角に外れて四球を出したが、2番のトミー・エドマンをダブルプレーに仕留めた。2回は打者3人を全て外野フライに打ち取り、エースの格を見せつけたものの、3回にドジャース打線に捕まってしまった。
先頭打者のマイケル・コンフォートにライトスタンドへ先制ホームランを打たれると、8番のミゲル・ロハスにはすっぽ抜けの球でデッドボール。続く9番アンディ・パヘスにタイムリーツーベースを打たれ、再び対戦した大谷からは、スタンド中段に飛び込む2ランを被弾。6回92球を投げて6安打5失点の大乱調だった。戸郷が1イニングに3本塁打を浴びたのは、プロ初である。
これには阿部慎之助監督も「一挙5点はなかなか見たことがない」としながらも「彼なりにいい薬になったんじゃないか」と語ったが、内心では「まさか」だったことだろう。
実は戸郷の乱調を予想していたかのような「データ」が見つかった。人気野球ゲーム「パワフルプロ野球2024-2025」の「投手能力」だ。
戸郷の最新の投手能力を見ると、弱点となる「赤特」に「対左打者F」と、ストレートが時々シュート方向に曲がる「抜け球」がついていたのだ。確かに打たれた3本塁打は抜け気味の球で、そのうち左打者が2人。「コナミ査定」は、なかなかのものだった。
野球解説者の落合博満氏は、戸郷の弱点を冷静に分析している。
「本人は打たれても仕方ない、という雰囲気ですよ。まぁ、投げ損じですよね。予期せぬところにいってしまった」
奇しくもパワプロの「投手能力」に、お墨付きを与える形となった。
来年のWBC有力候補と目されている戸郷だが、露見した「弱点」を克服する必要があろう。
(ケン高田)