6年ぶりに年間100勝を達成しそうな武豊(46)にも注意が必要だ。実は今年、逃げて最も好成績を収めている騎手が武なのである。159回の連対のうち28回が逃げてのもの(10月25日現在)。このような騎手は他にいない。以前は「タメ殺しの豊」と揶揄されていたのがウソのようだ。この変わりようについて、競馬ライター・兜志郎氏は次のように称賛するのだ。
「もともと武はスタートセンスが抜群で、エイシンヒカリのようなハナッ早い馬に乗る時は逃げの手に出ていた。だから逃げが増えたことにことさら驚いたりはしません。ただ、この積極的な騎乗の裏には、間違いなく外国人騎手への強い対抗心がうかがえます。いかにも負けず嫌いの武らしい。こうした気持ちがあるかぎり、彼はまだまだトップジョッキーとしてやっていけると思いますね」
ちなみに武の騎乗馬については、担当エージェントの平林雅芳氏が東京スポーツ紙上で毎週末にコメントを出している。予想入りなので、参考にしてみるのも悪くないだろう。
競馬ファンにとっては、種牡馬の名前も重要な要素。例えば中山の芝2500メートルならばステイゴールドの子を狙うのは定石とされる。あるいはダート戦ならサウスヴィグラス、プリサイスエンド、クロフネ、ゴールドアリュールという名前がすぐに浮かぶだろう。
オススメは、産駒を出して3年目になるパイロ。この産駒を見たら、黙って買っておきたい。それぐらいお得感のある種牡馬だ。何しろ勝ち馬率3割を超えているにもかかわらず、いまだに注目度が低く、馬券的妙味十分なのだから。
例えば10月10日の京都・新馬ダート1400メートルでは4番人気のオーマイガイが、翌日の東京・新馬ダート1600メートルでは11番人気のサンへレナが勝っている。サンヘレナの時は2着に1番人気のアジュールローズが入りながら、馬連1万8530円、馬単5万1150円の高配当だった。専門紙トラックマンが語る。
「新馬戦に良績があるように、仕上がり早で、追い出してグングン加速がつくことが特徴です。ダートの短距離タイプと見られていますが、距離も1800メートルまでなら問題ないでしょう。中にはシゲルカガ(牡4歳オープン)やメイショウスイヅキ(牝2歳オープン)のように、芝をこなせる馬もいる。パイロ自体、手先が軽く切れ味のある馬だったので、配合によっては芝で走れる馬も出るのです」
注目馬を一頭あげておこう。牡2歳の1勝馬クインズサターンだ。その末脚にほれ込んだ岩田康誠(41)が「未完成だが、将来はダートで大きなところを狙える馬」と語っている。