「弱いチームの象徴みたいな試合だなぁ。接戦は勝てないけど、勝つ時は無駄に打つ」
「サイクル本塁打」を達成する計5本塁打を浴びせての大勝にも、巨人党は不満タラタラだ。
9月7日のDeNA戦(東京ドーム)は、グレゴリー・ポランコが20号、21号を連発すると、アダム・ウォーカーが20号の満塁弾を叩き込み、外国人選手揃い踏みの今季20本以上を記録。中田翔にも18号が生まれ、7号を放った吉川尚輝は5打数5安打とフル回転の活躍ぶり。終わってみれば、今季最多となる23安打、18対3の圧勝だった。
試合後のインタビューで、原辰徳監督はこう振り返っている。
「今日の打線に関しては『いつでもお願いします』というところですけど、チーム全体、個々においてもストレスというかね、少しモヤモヤしてるものがあると思うので、そこは今日のゲームというもので、吹っ切った状態で明日から戦えたらいいな、というふうに思います」
前日の9月6日に行われたDeNA3連戦の初戦は、延長11回の末に接戦をものにできず、2対1で惜敗していた。そのうっぷんを晴らすがごとく、完膚なきまでに叩きのめす快勝でリベンジしたにもかかわらず飛び出したのが、冒頭の嘆きだったのだ。
巨人ファンのホンネはまだ続く。
「明日に5点くらい残しといてよ」「このうちの5本ぐらい昨日に回ってればなぁ」──。
名将・野村克也はかつて、こんな金言を放っている。
「強いチームは接戦で勝ち、負ける時は大敗。弱いチームは接戦で負け、勝つ時は大勝」
今季の巨人は、1点差負けが14試合、7点差以上をつけての大勝は6試合(9月7日時点)。接戦勝ちと大敗も同じような数字なのだが、野村式「弱いチーム」の特質を示す数字が8月以降、急増している。
その象徴が7日の試合であり、Bクラスにあえぐ現状が、その結果なのだ。ファンのストレスはどこまで積もるのか──。
(所ひで/ユーチューブライター)