春の便りが訪れているこの時期は、花粉症の方にとってはつらい季節ですね。花粉の飛散は2月中旬頃から始まっていますから、すでに目のかゆみや鼻水などで苦しい思いをされている方も多いことでしょう。
花粉症は、スギやヒノキなど60種類以上もの植物の花粉が原因となって、さまざまなアレルギー症状を起こす病気です。その症状としては、くしゃみ・鼻水・鼻詰まり、目のかゆみや涙、そして喉のかゆみや皮膚のかゆみなどがあります。ひどくなると、思考力や集中力が低下し、不眠やうつ症状につながることもあり、これらの症状は花粉症の60~70%の人に起こるとされています。まさに日本経済を脅かす病気と言っていいでしょう。
しかも、花粉の量はこの10年で2.4倍に増えているそうです。その原因は、昭和30年代に盛んに植林されたスギが樹齢30年を超えて花粉を多くつけるようになったことに加え、舗装道路の増加により、雨とともに土中に染み込むはずの花粉がアスファルトの上に残り続けるようになったこと、車の排気ガスの中の微粒子や炭酸ガスが花粉症のアレルギーを起こしやすくさせていること、などがあげられます。
また、今の子供たちは過保護で外で遊ばなくなっているため、アレルギーに対して弱いということも大きな要因ではないかとも言われています。食生活においても偏食・外食・インスタント食品が多いため栄養バランスや腸内環境が悪く、さらに食品添加物の氾濫も、免疫力を低下させ、花粉症の予備軍を増やしているのではないかとの指摘も無視できないでしょう。実際、日本の食品添加物の消費量は年間一人当たり4.5キロ。大変な量ですね。ぜひ、小さなお子さんがいるお父様は気をつけてみてはいかがでしょうか?
◆監修 森田豊(もりた・ゆたか) 医師・医療ジャーナリスト・医学博士。レギュラー番組「バイキング」(フジテレビ系)など多数。ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」の医療監修も務めた。