米ダルトン・インベストメンツは、フジテレビの親会社にあたるフジ・メディア・ホールディングスが6月に開く定時株主総会における、株主提案書を公開した。
ダルトンは3月末時点で、フジ・メディア・ホールディングスの発行済み株式5.8%を持つ大株主。中居正広氏の問題をめぐる対応に疑義を呈し、これまでも経営陣の刷新を要求していた。
提案書では金融大手SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長、芸能事務所STARTO ENTERTAINMENTの福田淳社長、大手レコード会社ワーナーミュージック・ジャパンの北谷賢司会長、フジテレビの元アナウンサーで起業家の坂野尚子氏ら12人を取締役に推している。その理由は、以下のようなものだ。
〈ようやく日枝体制が終焉を迎え、フジテレビは生まれ変わるチャンスを得ました。私たち当社フジ・メディア・ホールディングスの株主は、日枝体制の残滓を一掃し、フジテレビの大変革を力強く推進する経営者たちを当社に送りたいと思います〉
ダルトン以上の大株主は、旧村上ファンドを率いた村上世彰氏の長女・野村絢氏らで、11.8%を保有。こちらの勢力も取締役を提案する可能性がありそうだが、
「ダルトンの提案にまるまる乗ることはないでしょう。各大株主は少しでも自勢力が影響力を発揮できる人物を、取締役に送り込みたいわけですが…」(全国紙経済部記者)
とはいえ、どう考えてもダルトン提案の取締役案では、真っ先に福田氏に「物言い」がつきそうである。
昨年4月から旧ジャニーズタレントのマネージメントを引き継いでいるが、大物タレントの相次ぐ独立、ファンクラブの運営方法、CDデビュー前のジュニア内グループの再編など、ことごとくファンの怒りを買っている。
「おまけに芸能事務所のトップがテレビ局の取締役に入ったら、自社の所属タレントを優先的に起用することになるのでは、との疑念が生じるのが当然。誰もがNGを突きつけるでしょう」(芸能記者)
福田氏がダルトンの提案を受けていたとしたら、それ自体が驚きだ。
(高木光一)