ドラマやバラエティ番組で逆風が吹き荒れるフジ。だが、2月3日に親会社「フジ・メディア・ホールディングス(HD)」が発表した17年3月期第3四半期の連結決算は、売上高で約4886億円。3年連続で視聴率3冠王の日テレを抑え、民放5社のトップに立っている。
「HDの業績を引っ張っているのは、サンケイビルを中心にした都市開発事業。一方、放送業のほうは15年に開局以来、初めて営業赤字になってから番組制作費などの経費削減が厳しくなり、ボーナスも減額されました。局員は肩身の狭い思いが続いています」(フジ関係者)
前述の決算でフジの売り上げを伸ばしたのは催物事業の「お台場みんなの夢大陸」やシルク・ドゥ・ソレイユ公演の「トーテム」。放送事業は前期より下落、映像関連事業も軒並み苦戦。番組制作費が大幅に削られ、現場で働くスタッフから不満が噴出している。
「10年前のロケ弁の定番は『津多屋』の幕の内弁当や『オーベルジーヌ』のカレーで、時々、『叙々苑』の和牛カルビ弁当が出ることもありました。特にドラマの現場では、1人1500円の豪華なロケ弁が配られていたのに、今では500円以下の激安弁当にチェンジしました」(制作関係者)
深夜ロケが多かったドラマ「踊る大捜査線」の撮影では、夜食も用意されてラーメンやおでんのケータリングもあったが、「夜食禁止」になったという。
「視聴率が悪いドラマでは『ロケ弁中止案』も浮上しています。予算削減で、外のロケよりも低予算で済む屋内のシーンも多くなりました。あまりに落ち目な状況に、働き盛りの優秀な人材がNHKや日テレ、映画製作会社、IT関連事業などにどんどん転職しています。『テレ東でもいいから拾ってくれないかな‥‥』とボヤく局員もいました」(前出・制作関係者)
経費削減は、番組を彩る女子アナにも押し寄せる。
「早朝の番組以外は基本的に『タクシーNG』になりました。それを聞いたある女子アナから、『電車に乗って顔バレして騒がれるのを避けるには、すっぴんで通勤すればいいの?』とブーイングが出ました。だけど、先輩の加藤綾子(31)がフリーに転身しても思ったより活躍していない状況に、社員でいたほうがマシだと考えている女子アナも多いようです」(前出・フジ関係者)
かつて「絶対王者」と言われたフジテレビが、お茶の間の人気を取り戻す日はやって来るのか──。