フジテレビが日本野球機構(NPB)から日本シリーズの「出入り禁止処分」を受けている一件は、予想以上に余波が広がっている。
10月26日の日本シリーズ第1戦のタイミングで、NPBが「取材アクセスパスを回収する。今後の日本シリーズ取材は全てお断りします」と一方的に通告したのだ。原因は、フジテレビのメジャーリーグ中継にあった。
日本シリーズと同じ日に始まったワールドシリーズの放送権を、フジテレビはたまたま取得できた。そこで全試合生中継とハイライト番組を編成。このハイライト番組が問題だった。日本シリーズの裏番組として編成したものだから、NPBからすれば、足を引っ張られたという認識で「絶対に許さない」と大激怒したのだ。
試合はすでに5試合が行われており、11月2日には第6戦が開催されるが、フジテレビ関係者の嘆きは深い。
「DeNAが26年ぶりの日本一に王手をかけていますが、仮に胴上げが実現しても、自局カメラでの収録はいっさいできません。当座は他のテレビ局が収録した映像でしのぎますが、今後は使用するごとに二次使用料を、NPBと提供を受けたテレビ局に支払い続ける必要がある。関東に本拠地を置くDeNAの取材は(系列局の中で)フジテレビ本体が担当しており、もし日本一になったら何度も映像を使うことになりそう。局内からは『節目の大事な映像を自前で収録できないのは、後世にも恥になる。できればソフトバンクが日本一になってもらえないか』と、よからぬことを考える関係者まで現れました」
一方でフジテレビの出禁処分に、他のテレビ局からは同情の声が。
「テレビ番組の編成権を侵害された意識が強いためで『次は我が社になるのでは』と考えると、不安になりますから」
この決着はどうなるのか。