4月19日のGⅢ・アンタレスステークス(阪神・ダート1800メートル)で1番人気が予想されるのは、ミッキーファイト(牡4)だ。前走GⅠ・フェブラリーS(東京・ダート1600メートル)で3着と好走し、かつ、今回は鞍上に初コンビとなるクリストフ・ルメールを配しての参戦。注目度は極めて高い。
しかし、ミッキーファイト陣営が描いている上半期の最大目標は、7月2日のJpnⅠ・帝王賞(大井・ダート2000メートル)である。今回は名手ルメールが手綱を取る以上、着外などの大崩れは考えにくいが、陣営の「勝負度合い」という点で、取りこぼしの可能性がある。
そこで「逆転の激走馬」に浮上してくるのが、古豪ハギノアレグリアス(牡8)だ。阪神ダートコースにおける競走成績は、一昨年のGⅢ・シリウスS(阪神・ダート2000メートル)勝ちを含めて「1着3回、2着2回、3着1回」と抜群。実はこの相性の良さには、明確な理由がある。
同馬はテンに行ける脚がなく、位置取りは常に後方となる。ところが3コーナーでマクリ上げていく脚があり、4コーナーにおけるコーナリングも実に上手い。要するに、この脚質を最大限に生かせるのが阪神ダートコースであり、実際に過去のレースでは直線の入り口で先団を射程圏内に入れる形で、キッチリと差し切っているのだ。
さらに強調したいのは、ハギノアレグリアスが「屈腱炎の再発」という爆弾を抱えている点だ。これが強調材料となることに疑問を感じるかもしれないが、再発の可能性がある馬は多くの場合、脚への負担が増していく2番、3番が効かない。つまりハギノアレグリアスにとって、4カ月半の休み明け初戦となる今回こそが「勝負がかり」なのだ。
年明けに8歳を迎えた古馬ながら、屈腱炎で過去には1年8カ月にもわたる長期休養があり、馬齢を感じさせない馬体を維持している点も、大きな強調材料である。
そこで結論。勝負馬券はハギノアレグリアスの単複。配分は当日のオッズを見ながら考えたいが、人気次第では単勝1点勝負も悪くはないだろう。
(日高次郎/競馬アナリスト)