東は共同通信杯が今週のメイン。先週のきさらぎ賞同様、クラシック(皐月賞、ダービー)に直結するとあって、出走頭数だけでなく、登録馬自体もきわめて少ない。これはここ何年かの傾向だが、ノーザンファームなど大手グループがクラシックをと期待する逸材、大物をここぞとばかりに出走させてくることで、他陣営がかなわないとみて敬遠、ホコ先をほかに向けてしまうためだ。
今年も、頭数に関しては寂しいかぎりだ。が、皐月賞、ダービーの一里塚。顔ぶれはすこぶるつきにいい。馬券的には興味を削がれるが、やむをえないだろう。
近年、ここで勝ち負けして、クラシックなどGIを制した馬は実に多い。12年の勝ち馬ゴールドシップ(皐月賞、菊花賞)、14年イスラボニータ(皐月賞)、16年ディーマジェスティ(皐月賞)、17年スワーヴリチャード(大阪杯)、15年の2着馬ドゥラメンテ(皐月賞、ダービー)と枚挙にいとまがないが、だからといって必ずしも人気どおりに決まるというわけでもない。
03年に馬単が導入されて以降、これまでの16年間、その馬単での万馬券は3回のみ(馬連0回)。いかにも堅そうな重賞と思われがちだが、1番人気馬は4勝(2着4回)、2番人気馬は3勝(2着3回)。1、2番人気馬でのワンツー決着は3回。前評判がいくら高くても、それをもしのぐ素質馬がいるということで、そのへんがまた競馬のおもしろさなのだろう。
今回は、朝日杯FSを完勝、18年度の最優秀2歳牡馬に選ばれたアドマイヤマーズが最有力ということになるが、はたしてそのとおりの結果になるかどうか。そう簡単にはいかないように思う。
ここまで4戦全勝。どのレースも危なげない勝ちっぷりで、今年も、と思いたくなるのは当然だが、4戦全てがマイル戦だった。初めての距離&コースでどうか。
それだけではなく、ここはひと息入れたあと、2カ月ぶりの実戦。しかもこのあとに皐月賞、あるいは目標をマイル路線に替えてNHKマイルCが控えているのであれば、多少は余裕残しの仕上がり状態のはず。全幅の信頼は置きづらいのではないだろうか。
期待してみたいのは、クラージュゲリエだ。
京都2歳S勝ち以来、2カ月半ぶりの実戦になるが、年明けはここからと決め、短期放牧でリフレッシュされたあと、しっかりと乗り込んできた。1週前の追い切りも力強く、しまいの反応もよかった。
「前走も体重が増えていたが、また一段とたくましくなった。力を出せる状態に仕上がっている」
池江調教師はじめ、厩舎スタッフは、こう口をそろえて臨戦態勢が整ったことを強調する。
トゥザヴィクトリー(エリザベス女王杯)など近親、一族に活躍した馬がキラ星のごとくいる良血。大きく狙ってみたい。
穴は、ゲバラだ。新馬を勝ち上がったばかりだが、動き、状態ともに大きく良化したことから挑戦の意志を固めたもので、伊藤大調教師は「胸を借りるつもりだが、上積みは十分。不安より期待が大きい」と、ヤル気をにじませる。
こちらもエリモシック(エリザベス女王杯)ほか、近親に活躍馬が多くいる血筋。一発があっていい。
京都記念は、ブラックバゴが狙いだ。
体調を崩して3カ月半ぶりだった前走の中山金杯は10着に敗れたが、勝ち馬との差はコンマ3秒。ならば、使われて大幅良化した今回は期待できる。距離、コースとも相性がよく、初重賞制覇のチャンスとみた。