なかなかの好メンバーだ。今年最初のGI戦、フェブラリーSである。熱のこもった見応えある競馬が期待できそうだ。
では、その顔ぶれを見てみよう。
藤田菜七子騎手がGI初騎乗ということで話題沸騰。前哨戦の根岸Sを制したコパノキッキングを筆頭に、鞍上ルメール騎手で満を持すゴールドドリーム、連勝街道驀進中のインティ、オメガパフューム、サクセスエナジー、ノンコノユメ、モーニン、ユラノト以下、とにかく豪華メンバーだ。
いずれの馬が勝っても不思議なく、馬券的にもおもしろいだろう。
ただ、傾向としては大きく荒れることはない。馬単が導入された03年以降、これまでの16年間、その馬単での万馬券は4回(馬連では3回)。この間、1番人気馬は8勝(2着2回)、2番人気馬は2勝(2着3回)。ただ、1、2番人気のワンツー決着は2回のみで、有力勢の中で、やや評価が低くなった馬が食い込むケースが多い。
年齢的には4歳、5歳馬が圧倒しており、7歳以上の高齢馬は分が悪い。昨年の覇者ノンコノユメ、モーニン、レッツゴードンキといった古豪は、やや評価を下げたいところだ。
人気はどうだろう。コパノキッキング、インティ、オメガパフューム、そしてゴールドドリームが分け合うと見られるが、わずかだがルメール騎手とのコンビになるゴールドドリームが最有力ということになるか。いずれにせよ、穴党としても有力どころを軽く見るわけにはいかない。
そうした中、穴党として狙ってみたいのは、サンライズソアだ。
昨年暮れのGIチャンピオンズC以来2カ月半ぶりの実戦になるが、とにかくここに照準を合わせて調整されてきただけに、状態のよさが目立つのだ。
前走後は、短期放牧でリフレッシュ。しっかりと乗り込まれてきた。1週前の追い切りの動きは文句なし。雰囲気が実にいい。
「乗り込み量は豊富。追われるたびに動きが俊敏になっている。臨戦態勢は、すっかり整っている」
河内調教師はじめ、厩舎スタッフは、こう口をそろえて仕上がりのよさを強調する。ならばチャンスは十分あるのではないか。
チャンピオンズCは3着に敗れたが、やや体調が整わず重め残りの状態。それでも最後は差し返すなど、見せ場たっぷりの好内容だった。ここにきて、また一段と地力強化されている印象だが、自在な脚質で東京コースにも良績があるのは強調していいだろう。
このところ長めの距離を使われているが、一昨年のマイル戦、GIII武蔵野Sで接戦(2着惜敗)を演じており、マイルへの対応力は十分ある。そもそも芝のマイル戦でデビュー勝ちを飾ったほど。決してヒケは取らないはずだ。
「マイルのここは、使ってみたかった。相手の出方しだいで、どんな競馬もできていい」
河内師もこうヤル気をチラつかせているほどだ。
祖母はスワンSなど重賞3勝のビハインドザマスク(10勝)で、コイウタ(ヴィクトリアM)が近親にいる良血。充実著しい5歳馬でもあり、晴雨にかかわらず大きく狙ってみたい。
連下は前記した有力候補ということになるが、中でもサンライズノヴァだ。
東京のマイル戦は最も得意とするところ。流れが向けばチャンスだ。
あとは、クインズサターン。根岸S(3着)でのしまいの脚は実に目立っていた。引き続き状態はよく、一発があっていい。