野球解説者の江川卓氏が先ごろ、自身のYouTubeチャンネルを更新。セ・リーグの前半戦を総括し、最下位に沈む中日の成績不振の原因をズバリ指摘した。
スタッフから、中日が開幕から苦しい状況が続き得点力が圧倒的にワーストという状況と振られた江川氏は、「球場をなんとかしてください」とキッパリ。
現状、広い球場に合わせたチーム作りをせざるを得ず「立浪さんがどうこうじゃなくて、そうなっちゃう」と解説。その上で解決策として「ホームランゾーン」を設置することを提案した。
この発言に、中日ファンからは「落合監督の負の遺産」と江川氏に同調する声が上がっている。
スポーツライターが語る。
「落合博満監督は 2004年から11年までの監督在任中『勝つことが最大のファンサービス』と公言し、徹底的に勝ちにこだわる試合を行ってきました。ただ、先頭打者が塁に出ればほぼ確実にバントなど、確かに強いとはいえ面白みのない野球に、徐々にファンが離れていきました。バンテリンドームのような広い球場は本塁打が出にくく、相手投手も思い切った投球ができるため攻撃側の戦術が明確になる。それを実行したのが落合野球だったわけです」
バンテリンドームにはその後、江川氏の言う「ホームランゾーン」(「ラッキーゾーン」「ホームランテラス」)の設置を望む声がOBなどからも出たが、結局は実現していない。
「落合監督時代よりも明らかに戦力の劣る今、立浪監督がどう頑張っても限界はある。ホームの球場であれば、多少なりともホームチームが有利になるような環境づくりが必要なのかもしれません」(前出・スポーツライター)
中日ファンの間では、今でも古き良き、そして本塁打が出やすかった「ナゴヤ球場」の印象が強く残っている。江川氏の言うように、そろそろ本気でバンテリンドームを魅力的にする改革を行わないと、ファンがますます去って行くだろう。
(ケン高田)