橋下氏の学識者批判は大学教授だけにとどまらない。作家の髙村薫氏も思わぬ“口撃”をされている。
1月11日の橋下氏のツイッターには、髙村氏に対して、こんな記述がある。
〈何をしている人なのか全くわからない。作家らしいが、毎日新聞で時事ネタに関して非建設的な意見だけを述べる。(中略)僕が光市母子殺害事件弁護団に対するテレビ発言で、弁護団に訴えられ一審敗訴の時に、「痛快!」とタコメント〉
〈その後、僕が最高裁まで争って僕の言い分が通ったときには、何もコメントを出さない。その程度の人〉
こうなったら、クソもミソもない。まとめてかかってこいと言わんばかりだ。
それもそのはず、橋下氏はツイッター上で、田原総一朗氏にこう呼びかけている。
〈僕のことを嫌いな大学教授と直接討論させて下さい!〉
そして、これが実現してしまった。1月27日の「朝まで生テレビ」(テレ朝系)で、「激論!『独裁者』橋下市長が日本を救う(仮)」なるテーマで放送される予定なのだ。 橋下氏の公務の都合もあり、番組は事前収録となる。本誌が発売された頃には、収録が終わっているが、出演予定の帝塚山学院大学リベラルアーツ学部教授の薬師院仁志氏はこう話す。
「橋下氏のこれまでの発言などを見ていても、相手に対してというより、基本的に学問や学者、特に文系の知識人を嫌悪しているのではないかと思えてきます。とにかく、先にテレビで討論されていた山口先生の時のように、『学者は世間知らず』と議論をすり替えられては、市政の議論にはならないので、注意しなくてはと思っています。橋下氏が本格的なテレビ討論の場に出てくるのは珍しいことですから、きちんと議論してくれると思い ますが‥‥」
とはいえ、薬師院氏は山口氏からアドバイスを得て、傾向と対策も万全だ。
「山口先生には『論点をすり替えてくるから、一般論ではなく1つのテーマにしぼれ』と言われました。私は政治学者ではなく社会学者です。しかも、生っ粋の大阪市民でもあります。市民の目線で論戦しようと思っています。それでも、『学者は世間知らず』だと言ってくるのであれば、『橋下さんは豊中市民でしょう』と言い返してやりますよ。大阪市内の商店会の人が『助成金が減らされた』とボヤいているのに、一方で、マスコミで橋下氏をさも改革者のように祭り上げるのは、大阪以外の人が多い。大阪で生活している市民の現実はどうでもいいと考えているのか、橋下氏にはしっかり答えてもらうつもりです」(前出・薬師院氏)
橋下氏が一方的にまくしたてていた「大舌戦」。テレビに場所を替えて、本格バトルに発展しそうなのだ。
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