スポーツ

移籍失敗 中島裕之を待つ西武の非情仕打ち

「今年、彼は精神的にツラいと思いますよ。僕とは違って、完璧に出て行くと宣言して、胴上げまでしてもらって送り出されたわけですから。それでまた戻ってくるのか、と」
 ポスティングでのメジャー移籍を目指したものの、落札したヤンキースとの交渉が決裂、西武に「出戻った」中島裕之(29)の心境を代弁するのは、野球評論家の三井浩二氏である。三井氏といえば、西武OBにして、ポスティング経験の持ち主。08年オフと翌09年1月の2度にわたって申請したものの、入札がなかったため、西武と再契約した。その際の球団とのやり取りを、三井氏が振り返る。
「来季はもういないものだと思って、球団は補強などの編成を進めていたのに、戻ってきてしまった。フロントの態度は180度変わりました。『え、残るの? 自由契約でもいいんだよ。好きなところへ行けるし』みたいな感じでしたね。僕はポスティング前に『もしダメなら、また西武にお世話になってもいいですか』と聞いて、『おぉ、いいよ。そういう規約だから』と言われていたんですが、実際はこちらの立場が弱くなっているので‥‥。フロントからは針のムシロでした」
 再契約の年俸、そしてグラウンドにも、厳しい風当たりが襲う。
「報道では現状維持となっていましたが、実際はそれよりも低かった。故障もないのにキャンプは二軍。開幕も二軍スタートでした。見せしめではないですけど、出て行くって言ったんだから‥‥と言われているように感じました」(三井氏)
 結局、三井氏はこの年のオフに戦力外通告を受ける。
 球団関係者によれば、
「中島は三井氏のそうした経験談を知っています」
 再び三井氏が語る。
「球団は、出戻った中島のことを『戦力として喜ばしいことです』と言いつつも、外国人を補強したりしているし、本心はそうではないと思います。(ポスト中島として遊撃コンバートのはずだった)浅村(栄斗)にしても、レギュラーになると思っていたのにダメなのか、という感情を抱くかもしれませんね。中島の年俸? 僕は、たぶんダウンしていると思いますよ」
 報道では、現状維持の年俸2億8000万円だが、実際は三井氏と同じ状況のようだ。
 渡辺久信監督(46)は栗山巧(28)に宛てた年賀状に、「3番を打て」と書いた。もちろん、中島が抜けた穴としてである。その「約束」もホゴにせざるをえないのか。三井氏は窮地の中島にこうアドバイスを送る。
「もう中島は割り切ってやるしかない。ビジターでは観客からヤジも飛んでくるでしょうが、気にせずに」
 球団、ヤジ、同僚‥‥今季の中島には「敵」が多すぎる。

カテゴリー: スポーツ   タグ:   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
2
暴投王・藤浪晋太郎「もうメジャーも日本も難しい」窮地で「バウアーのようにメキシコへ行け」
3
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
4
侍ジャパン「プレミア12」で際立った広島・坂倉将吾とロッテ・佐藤都志也「決定的な捕手力の差」
5
怒り爆発の高木豊「愚の骨頂!クライマックスなんかもうやめろ!」高田繁に猛反論