6月20日から全国の劇場で海外映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」が公開される。その映画に登場する主人公マックス役の吹き替え声優を務めるのがEXILEのパフォーマー AKIRAである。しかしこの起用に、ネットでは「雰囲気だけで吹き替え素人を選ぶな!」「映画が台無し。絶対に許さない!」などと怒りの声が相次いでいる。
「EXILEは以前も、ウィル・スミス主演の『ハンコック』で、重要人物の吹き替えをダンサー・眞木大輔が担当した際、ありえないほどの棒読みを披露し炎上したことがあります。一部からは字幕で観ろとの意見もありますが、最近は吹き替えに特化した映画DVDが売り上げを伸ばすなど、一定の需要があるのも事実。そのため一時的に劇場の観客を伸ばせても、DVDを購入するような熱心な映画ファンからは敬遠されるおそれもあるでしょう」(映画誌記者)
過去の映画の吹き替え問題といえば、人気海外アニメ「シンプソンズ」での騒動が記憶に新しい。「シンプソンズ」は映画化にあたり、テレビアニメシリーズで吹き替えを担当していたプロ声優を切り捨て、タレントやお笑い芸人への起用に踏み切った。そのことでファンや著名人は猛反発し、署名運動にまで発展。結果、DVDには劇場公開版とシリーズの声優によるオリジナル版の2つのバージョンが収録されることになった。
「PRの手段として、とりあえず吹き替えに芸能人を使っておけば、ワイドショーがこぞって宣伝してくれます。そのため今後も芸能人声優の流れをなくすことは難しいでしょう。ただ、これで苦労するのは起用された芸能人側ですね。以前、『タイム』という映画で吹き替えを務めた篠田麻里子はTSUTAYA店員からポップで『吹き替えが最悪』と猛批判され話題になりました。今回のAKIRAも、映画ファンから目の敵にされる可能性がある」(前出・映画雑誌記者)
とはいえ、ジブリやディズニー映画で吹き替えを担当する芸能人は、世界観を壊さない演技を見せるため反発は少ない。しかしその一方で、映画会社の都合により犠牲となる芸能人も後を絶たないようだ。