秋田県に住む大沢正さん(90)=仮名=も、独自の方法でガンが自然に治った一人。80歳まで夫婦で商売をしていたが、高齢もあり、頻尿に悩み病院を訪ねた。そこで伝えられたのが、末期の膀胱ガンだった。「あまりしゃべるのが得意ではない」というご本人に代わり、夫人(84)がこう話す。
「4人部屋に入院したけどみんな抗ガン剤などで苦しんでました。おじいさん(大沢さん)にそんな苦しみを味わわせたくない。それで新聞、雑誌、テレビでガンに効くと言われるものを試した。おじいさんはダメだと覚悟していたみたいでしたが、私が励まして飲ませたんです。いろいろ試して、信州の会社が作っていたロシア産のキノコのドリンクを飲むようになってから、尿がいっぱい出るようになり、どんどん元気になってきたんです」
もの静かなタイプの大沢さんは医者に気がねして、入院中はこのドリンクを飲んでいることは隠して放射線治療を続けたという。
「おじいさんは先生が出す抗ガン剤も飲んでいましたが、ドリンクを飲んでから、吐き気も全然なくなり、食欲も旺盛になったんです」
退院から半年後、検査で腫瘍は全消滅。転移も見られなかったという。
「本当は何がよかったかわからないけど、ドリンクがおじいさんには合っていて、薬の効きもよくなったんだと思ってます。ガンは発症した場所にも人にもよると思うけど、いろいろ試してみるといいと思う」
ガンはまだまだ未知の部分が多く、どの療法が効くのかも個人によって千差万別。さまざまな療法を試す価値はあるようだが、関東在住で百貨店を退職した松本修さん(72)=仮名=の場合は、より自然な感じで胃ガンから生還した。
「私は全て寿命だと割り切っていて検査で胃ガンと診断されても『あ、そうか』という気持ちでした。妻は入院と手術を勧めたが断り、信州に買ってあった温泉付き別荘で暮らすことにした。朝から温泉に入って散歩して釣りをして過ごしていました。ただ友人から勧められた南国のお茶は飲んでいました。ストレスもなかったからかな、半年後の検査で腫瘍は消えていたんですよ」
東京・東中野で独自の「西式医学」に基づく代替医療を続ける「渡辺医院」の渡辺莞爾院長が話す。
「他の病院で末期ガンの治療を続けてきた方の多くは気力、体力とも落ちている。うちではその患者さんに無理のない療法で免疫力のアップを図っている。基本は食事と運動です」
同病院でもこうした療法でガンを克服した例が見られるといい、都内在住の乳ガンの女性(68)の場合は生野菜食と、代謝をよくするため朝と晩に裸になる「裸療法」の結果、ガンが消滅。
こうして見てくると、どのケースも“自分が納得できるガンとの向き合い方”を見つけている。詰まるところ、そのことが「自然にガンが治る」ための一歩のようだ。樹木希林の悠然としたふるまいを見ていると、そのことを教えられている気がしてくる‥‥。