NHKの朝ドラ「まれ」に蔵本一子役で出演している清水富美加が、その存在感や演技力で話題となっている。若手女優の有望株として期待される清水だが、一時期は真剣に芸能界を辞めようと考えていたのだという。
高校入学後、「ミスマガジン2010」に選ばれるなど若手女性タレントとして注目度が高まっていた清水は、2011年に「仮面ライダーフォーゼ」のヒロインに抜てき。自分と同い年の城島ユウキ役を務め、女優として大きく成長していったのだが、この仮面ライダーが彼女にとって大きな転機となった。
それは共演俳優との熱愛である。3カ月で終わる通常のドラマとは違い、仮面ライダーシリーズは1年にもわたる長丁場。しかも「仮面ライダーフォーゼ」はシリーズ初の学園もの。放送中の4月には3年生に進級するなどリアルな学園生活を描いており、そのなかでの熱愛はまるで、甘酸っぱい高校生の恋愛のように清水の心を虜にしたと想像するのは難くない。
もちろん所属事務所としては、まだ高校生の清水に恋愛など認められるはずもない。だが、一途な性格の清水は「仮面ライダーが終わったら仕事を辞めて結婚する!」とまで思い詰めていたというのだ。2012年12月2日の誕生日には、自身のブログに「仕事をやめようと思った事はリアルに100回くらいあります」と綴るなど、所属事務所との関係が悪化していたことは容易に想像がつく。
実際、2012年8月に「仮面ライダーフォーゼ」が終了してからしばらくは単発の仕事しか受けておらず、活動をセーブしていたのは事実。この時期のブログには「最近は映画ばっかり見てます」とか、「誰も信じられなくなって冷たくて窮屈な日もあるよねー」といった書き込みが目立ち、将来に迷ってふらついていた様子がうかがえる。
一方で、高校のクラスメートが大学受験に臨む姿などを目の当たりにし、女優としての自分を見つめ直すきっかけにもなったようだ。2年ぶりにオーディションを受けたり、12月には出演映画がクランクインするなど、「仮面ライダーフォーゼ」の終了から数カ月経った頃からやっと、女優としての自分に前向きに取り組めるようになったのではないだろうか。
そんな時期を過ごした清水は、いまでは先輩の新垣結衣を引き合いに出し、「22歳までにガッキーくらい売れて、わがまま言って困らせていた事務所に恩返しをしたい」と心に誓っているという。
その22歳まではあと1年半。「まれ」での注目を足掛かりに、事務所に恩返しできるほどの売れっ子女優に成長する可能性も高そうだ。
(金田麻有)