「ドラマのTBS」の衰退が各所で叫ばれている。近年「半沢直樹」や「JIN-仁-」などの名作こそ生んではいるものの、「時間ですよ」「水戸黄門」「3年B組金八先生」といったシリーズ化につながる秀作を量産していた頃を知っている者にとっては寂しい限りだ。
7月23日には、今年の4月期に月曜20時台のドラマ枠が消滅したのに続き10月期から木曜21時のドラマ枠までもが廃止されることが発表された。そのため、19~23時のプライム帯と呼ばれる時間帯でのドラマ放送がたったの3作品しかなくなってしまうのだ。
「TBSのドラマの今後は、MBS(毎日放送)にかかっています」
と言って、番組制作ディレクターが続ける。
「深夜ドラマはおもしろいと思わせてくれるようになったのが、大根仁氏が演出を手がけた08年の『週刊真木よう子』(テレビ東京系)。その後も『湯けむりスナイパー』『モテキ』『まほろ駅前番外地』(すべてテレビ東京系)とヒットさせ、視聴者に深夜ドラマの存在を認知させてくれました。そこに目をつけたTBSは、系列局のMBSで小林薫主演『深夜食堂』を制作し、見事に当てました。その後も貫地谷しほり主演『女くどき飯』、山田孝之が企画から関わり主演もした『REPLAY&DESTROY』、村上淳主演『シメシ』、今期は『となりの関くんとるみちゃんの事象』と、MBS制作の大人が楽しめる深夜ドラマで起死回生を狙っています」
深夜枠だろうが、制作局がMBSだろうが、視聴者は良質のドラマを作ってくれればそれでいいのだが。