歌姫・中森明菜が9月30日に50歳のアニバーサリーシングル「unfixable」を発売する。通算50枚目のメモリアル曲のタイトルを訳すと、なんと「再生不能」。なぜこんな意味深なタイトルがつけられることになったのか。
明菜は昨年のNHK紅白歌合戦で、4年3カ月ぶりに芸能界復帰を果たした。今年1月、シングル「Rojo -Tierra-」とカバーアルバム「歌姫4」をリリース後に渡米し、今春からレコーディングをスタートさせていたという。スポーツ紙芸能担当デスクが話す。
「10年10月、ストレスによる免疫力低下がもとで、無期限活動休止に入った。その体調が上向いてきたことで、レコーディングの企画段階から参加していたそうです。今回の衝撃的なタイトルの曲は明菜初の全編英語詞。こだわり抜いた末の渾身作です。そこにはファンへの悲壮なメッセージが込められている‥‥」
そのメッセージの核となるのは、長期にわたる活動休止中の心情であり、現在の「病状」と将来の展望なのだという。ベテラン音楽ライターが明かす。
「昨年、年末のNHK紅白出場を目指しましたが、結局はニューヨークのスタジオからの中継でした。その後も50歳の区切りの今年こそ、大がかりなライブツアーではなくとも、限定ライブやディナーショーぐらいはと思っていた。しかし、それも時期尚早と判断。理由は、声が満足に出ないこと。レコーディングスタジオでは何とかなっても、ライブで歌えるようなレベルではなく、本人も納得してないのです」
昨夏に明菜サイドと紅白関係者が一堂に会し、復活プランを練ったと報じられた。
「会場での生熱唱は難しくとも、国内中継のセンで話が進められた。ところが初対面のNHKスタッフを前にして、明菜の体調が崩れてしまったのです。いわゆる対人恐怖症が癒えておらず、計画が難航。明菜は15年来の現在のマネージャー・K氏と、そのブレーン以外とのコミュニケーションを苦手にしています」(NHK関係者)
99年、コンサートのキャンセル騒動や主演ドラマ降板などで1億円以上の負債を負い、どん底の中で知り合ったK氏。02年、36歳だった明菜は32歳のK氏と2人で独立し、デビュー20周年ツアーを成功させた。芸能プロ関係者が話す。
「K氏の実家は資産家で、都内にマンションも所有しており、カネのトラブルにばかり巻き込まれていた明菜は信頼を寄せていました。06年にはパチンコメーカーと数億円の契約を交わし、『キラーコンテンツ』と呼ばれる大ヒットを記録させた手腕も確かで、K氏だけでなく、そのブレーンにも心を許すようになった。K氏は噂される『明菜の恋人』説を否定し続け、専属ドクターのような立場でバックアップしています」
明菜のブレーンの一人によれば、心配される声はボイストレーニングを積みながら少しずつ回復に向かいつつあるというが、
「問題の新曲タイトルには『昔のようなライブはまだ厳しいけど、聴いてください』との思いが込められています。すなわち『もう人前には出られない』という通達であり、明菜自身もレコーディング中、スタッフにそう言ったのだと。意味深かつ不可解なタイトルですが、本人は承諾済みなのです」(前出・音楽ライター)
カップリング曲「雨月」は、どうにもならない焦りやいらだちを乗り越えようとした先に見える一筋の光を表現しているという。「再生不能」を受け入れ、嘆く心の叫びが聞こえてくる。