不可解かつ猟奇的──。無数の刺し傷が残る体には粘着テープが巻かれ、無造作に放置。さまざまな疑問と憶測が飛び交った中学1年生殺害事件で逮捕されたのは「常習犯」だった。
8月21日夜、大阪府柏原市の山林。行方不明だった寝屋川市の中学1年生・星野凌斗くん(12)の遺体が発見された場所は、線路脇の竹やぶの中だった。捜査関係者が語る。
「横たわった状態で、顔を粘着テープで何重にも巻かれ、手は縛られていた。遺体の一部は白骨化し、死後数日が経過していました。遺体を隠すようにして、草がかぶせられていた」
発見現場の山中は道が入り組んでおり、よほど土地勘がない人間でないとたどりつくのが困難なほど。周辺にはゴルフの練習場があるものの、人家が少なく、
「この辺りは夜になると街灯も少ないので、とても暗いんです。人なんてめったに通らないので、ここで何かしていてもまったく気づくことができません」(周辺住民)
遡ること8日。高槻市の物流センター駐車場で見つかった、星野くんと同じ中学の同級生、平田奈津美さん(13)の遺体もまた、顔や両手首を粘着テープでぐるぐる巻きにされてのうつ伏せ状態。左半身の胸や腹には、刃物による30カ所以上の刺し傷が確認された。
鬼畜の所業と言える、同じ手口による惨殺。星野くんの遺体発見と前後して、21日夜に死体遺棄容疑で大阪府警に逮捕されたのは、山田浩二容疑者(45)=大阪府寝屋川市香里新町=。全国紙社会部記者が言う。
「同級生2人が一緒に外出したのが8月12日の夜9時頃。その後、寝屋川市内のコンビニ前にいるところや、明け方にかけて商店街の防犯カメラに映っている様子が確認されています。同じ頃、不審な軽ワゴン車が周辺を走っているのが目撃された」
13日午後12時40分、山田容疑者は柏原市内のコンビニで粘着テープを購入。同日午後11時30分に平田さんの遺体が発見される直前、問題の駐車場に不審車両が停車し、走り去る様子が防犯カメラに記録されていた。社会部記者が続ける。
「警察は不審車両をグレーの三菱軽ワゴン車『ekワゴン』と特定。付近の幹線道路に設置されたカメラから車が山田のものと判明すると、徹底マークを開始した。20日にはすでに捜査員が山田の名前を出して、さまざまな場所へ聞き込みをしていました。そして21日午前1時15分、大阪市北区堂山町の繁華街に駐車された山田の車を発見。捜査員が尾行する中、山田は大阪府内をあちこち走行し、午後になって柏原市の山林で車を降りて周辺を歩くと、再び発車した」
山田容疑者はその約1時間後、大阪市城東区内の交差点で信号待ちをしているところを複数の捜査車両で挟み込まれ、逮捕された。