橋下氏へ熱烈なラブコール
小沢氏は倒閣のあとの総選挙をにらんでいる。そこで、台風の目となっている「第三極」勢力への気配りは忘れてはいない。特に、橋下徹大阪市長(42)には格別の賛辞を送っている。
2月に行われた会合の席で、小沢氏はこう言った。「彼は単なるアジテーターではない。国家観や細かい政策はきちんと話したことがないからわからないけれど、国の仕組みを変えるというのは政治家としては大したものだ」
また、3月10日に千葉市で行われた講演では、野田総理への当てつけも含め、橋下氏をホメまくった。「内閣も民主党も支持率が下がる一方なのに、(橋下氏率いる)大阪維新の会はうなぎ登りだ」
これだけ熱烈なラブコールを受けた橋下氏はどう応えているのか。ある永田町関係者が言う。「橋下氏はこうした言葉を伝え聞き、ある元議員に『僕の人気なんて、あと2年ですよ』と冗談めかして話していた。これは、裏を返せば、あと2年で総理まで登り詰める自信の表れです。実際に、維新の会は次期総選挙で全国300区に候補者を立てる勢い。しかし、政治塾に集まった人間は候補者としては不十分と考え、橋下氏は現職の国会議員を欲しがっている。小沢氏の下には多くの国会議員がいる。小沢氏が民主党を割って、選挙となれば、選挙協力ぐらいはするでしょう」
さらに、小沢氏は維新の会と同調しているみんなの党・渡辺喜美代表(59)へも秋波を送ったという。前出・小沢氏周辺議員は話す。「2月の会合で、第三極勢力との連携について聞かれると、『維新の会とみんなの党が一緒になったら相当な力を持つだろう』と話したんです。小沢氏の口からみんなの党という名前を聞くのは久しぶりでした。橋下氏と渡辺氏の連携に加わる気があるのではないでしょうか」
いずれにしても、小沢氏は倒閣後の総選挙、そして先にある政界再編をにらんでいるのは間違いない。
前出・本澤氏が語る。「年齢から言っても、小沢氏にしてみれば最後の闘いでしょう。もともと、小沢氏には手札がない状況だったのに、野田総理が消費増税と言いだしたことで、増税反対という最良のカードを与えてしまった。野田総理自身がまいた種です。とはいえ、国民は現在の経済状況で増税など望んでいませんから、小沢氏が増税反対を軸に戦えば大きな成果を得る可能性はあります」
はたして、小沢氏の「最後の闘い」はどのような結末を迎えるのか。
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