裁判も無罪濃厚の憶測が…
この決起を後押しするかのように、追い風も吹き始めている。
小沢氏が政治資金規正法違反(虚偽記載)で、強制起訴された裁判である。
3月9日に東京地裁で開かれた論告求刑では、小沢氏に禁錮3年が求刑された。
検察官役の指定弁護士は「規範意識が鈍磨しており、再犯のおそれは大きい」と厳しく指弾した。ところが、指定弁護士は苦しい論告に終始したのだ。
それもそのはず、2月17日に大善文男裁判長が、指定弁護士側が証拠として請求した調書42通のうち29通を却下、不採用とした。その調書の中には、元秘書の石川知裕衆院議員(38)が小沢氏の関与を認める供述をした調書が含まれていたのである。
その調書は検察のデッチ上げであると認められたうえに、直接証拠を失うという事態になった。指定弁護士は間接証拠のみで、裁判を争わざるをえなくなったのだ。
がぜん小沢氏の無罪が濃厚となる中、3月19日には最終弁論が行われ、裁判は結審。あとは、4月26日の判決を待つだけとなっている。
ある司法記者はこう話す。「たとえ、小沢氏が無罪になったとしても、指定弁護士側が控訴に踏み切れば、裁判は続きます。もちろん検察が2度、不起訴にした事件を検察審査会が強制起訴したわけですから、無罪のうえに控訴となれば、審査会の存在意義が問題視されるでしょうが、小沢氏は長い闘いを強いられることになります」
決して小沢氏にとって、何もかもが有利に運んでいるわけではないのだ。
しかも、政治評論家の本澤二郎氏は小沢裁判の判決をこう推測する。「常識的に考えれば、小沢氏は無罪になってしかるべきです。しかし、石川氏ら秘書たちは『推認』で有罪になっている。しかも、この裁判は国家が小沢氏に有罪を求めた裁判であり、私は有罪判決が出る可能性が高いと思っています」
小沢氏が有罪となれば、求心力は低下する。当然、小沢グループの議員たちも小沢氏のもとを去っていく可能性がある。数の力で野田政権を揺さぶろうとする小沢氏にとって、これほどの痛手はないはずだ。
前出・政治部デスクはこう話す。「小沢氏は周辺に『3月、4月は忙しくなる』と語っており、恐らく自身の判決の前に、今回の政局に一定のメドがつくと考えているのだと思います」
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