11月27日、定例会見を開いたフジテレビの亀山千広社長。長寿番組「ごきげんよう」の終了や年末放送の格闘技特番「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX」についての話題など、様々なテーマに言及した会見だったが、亀山社長が最も熱を入れて語ったのが、同社の「低迷に関する分析」だった。
個人の見解として「2011年3月11日」がターニングポイントだと語った亀山社長。東日本大震災を「日本の意識がいろんな意味で変わってきた」と指摘し、「今まで我々がずっと押し出してきたワクワク感、ドキドキ感、お祭り感が、絵空事に見えてしまうようになった」と分析したのだ。
そして今後について「フジテレビのブランドイメージをゼロから変えていくという気持ち」で「安心感を送り出す」と表明した。
まさに「大転換」を打ち出したわけだが、この発言に、社員からは「やりきれない思い」が漏れ聞こえてくるのだ。
中堅ディレクターがため息まじりにこう語る。
「正直、この発言を聞いて本気で転職しようと思った人は少なくないはずです。フジテレビが“安心路線”などと言い出すとは‥‥。僕が入社した90年代後半から現在まで、これほど弱気な首脳陣は見たことがありません。長年、最前線で突っ走ってきた亀山社長だからこそ言える言葉ですが、それにしても寂しい限りです」
復活の兆しはまだ見えないようで‥‥。
(白川健一)