ベッキー一色だった芸能記事を塗り替える勢いで、SMAP解散報道が波紋を呼んでいる。木村拓哉以外はジャニーズ事務所を退所ということで、キムタク以外はどういう路線へ進むつもりか、メディアやファンを巻き込んで今後も予測が加熱することだろう。
そんな独立するメンバーのなかで、もっとも進路がわかりやすいとされているのが中居正広ではないか。数多いバラエティでのMCなどでも、まるで吉本芸人のようにボケやツッコミを敢行。今後もこの路線を中心にすることは明々白々だ。
今となってはその独立への伏線でもあったのが、1月9日放送の「人志松本のすべらない話」(フジテレビ系)への参戦だったことは想像に難くない。中居の参戦が事前に大々的に告知されていたこともあり、番組の平均視聴率は16.6%という及第点以上の数字を叩き出した。成功すれば、独立後はお笑いのフィールドにも積極的に参加していこうという腹づもりだったのかもしれない。ところが、番組ファンからは前途多難との評価が下されている。
「過去にもSMAPの稲垣吾郎らがゲスト出演した回がありましたが、その数字を超えましたね。最近は平均視聴率10~11%台と苦戦していた番組にとっては、中居はV字回復の立役者となったわけですが、上積みされた6%のライトファンはともかく、常に番組を支持していた10%前後のコアな視聴者からは『番組が非常につまらなくなった』との声が大きいようです」
純粋にお笑いを見たい視聴者には、芸人たちが気を遣う大物アイドルが不要なことは確か。「クスリとも笑えなかった」「これぞ視聴者無視」「誰もつまらないと言えない空気」「仕事でもないのにテレビでまでVIPのつまらないジョークに苦笑いしたくない」など、評価は著しくない。いくら並みのタレント以上にトークを磨いている中居とはいえ、芸人とは明らかに立場の違うネタは別問題というわけだ。
「しかもMVS(Most Valuable すべらない話)を獲得したのも中居ということもあって、完全な接待番組となっていた。お笑いに目の肥えた視聴者が置いてきぼりされた気分に陥るのも無理はないでしょう。まさか、独立後のフジテレビの囲い込み計画ではないでしょうが、今後ジャニーズを離れることでもっと毒舌や下ネタを加速させたり、アイドル経験者ならではのブラックなネタを盛り込めるようになれれば、お笑い番組に出てもファンは自然と認めるようになるのではないでしょうか」(前出・エンタメ誌記者)
SMAP解散報道のあとにも「えっ、まさか毎回出るようになるの?」「誰もツッコめないなら、そんな人は不要」など、現状では“芸人”としてはいまいち歓迎されている様子はない。
しかし中居がどの分野に力を入れるにせよ、見ている者に“元SMAP”の肩書きをどれだけ忘れさせてくれるかが独立成功への重要なポイントになるかもしれない。
(本多ヒロシ)